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世界のモダンハウス

世界各地の参考にしたい個人住宅を順次紹介していきます。
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【第25回】ワンルームでもメリハリのあるテラスハウス

正面外観。眺望を楽しむ西と東に大きく広がるボリュームのある住宅。

正面外観。眺望を楽しむ西と東に大きく広がるボリュームのある住宅。

眺望がよく機能性の高い住宅

 メキシコ北西部のチワワ州の州都、チワワ市は人口約80万人、標高1,413メートルの山に囲まれた谷にひらけた街である。特徴のある名前でもわかるように、この州は愛玩犬として知られるチワワの原産地だ。チワワ太平洋鉄道という全長653キロの観光鉄道が走り、車窓からは壮大な渓谷の景観が楽しめる。

 今回紹介する住宅は、このチワワ市を臨む眺望の良い丘の細い分譲地の一角にある南向きの敷地に建てられている。名付けて「カーサ・テラーザ」。スペイン語でテラスのある家という意味。施主が希望したのは、眺望の良さを最大に楽しめることと、夏は直射日光を避け、冬は太陽光を暖房として利用できる機能的な住宅だ。

玄関のある正面ファサードから見るとごく普通に矩形の建物に見えるが、実際はL字型の北東に広がるボリュームあるつくりになっているのが特徴だ。

出典:google map

二つのエリアをずらした変則的L字形

1階平面図。北にキッチンとダイニング、東側にリビングという構成のL字型。

 平面図で見ると特徴的なL字型のボリュームある設計になっている。
家族が団らんをするリビングは北側に大きな開口を設け、キッチン・ダイニングのような機能性がある大空間は東側に大きな開口部がある。その開口が北と東の大空間をつなぎ、またテラスと一体化することで庭へと広がり、外部の自然を取り込むことができる。室内に風や光を循環させるつくりだ。

北のキッチン・ダイニングと東のリビングを繋ぐ中心部。その壁を曲線にすることで緩やかな繋がりを生みだす。

キッチン・ダイニングとリビングの大空間をつなぐ家の中心部分は狭くなっている。そこを直角に交差させず、壁の角を丸くすることで、視覚的な広がりと緩やかな繋がりを感じさせる工夫がなされている。そのため、一階はワンルームでありながら単調ではなく、北と東に広がる大空間の違いをはっきりさせることでメリハリを生んでいる。さらにリビングの庭側は大きなガラスの開口で、光が沢山とり込まれ明るく開放感がある。

1階の重要なアクセントとなる階段。
黒く林立するスチールパイプが印象的。

1階では階段が空間の重要なアクセントとしてデザインされている。どの部分からも臨むことができるこの階段の役割は、アート的な彫刻物として、また上の階があることを示すために配置も考えたそうだ。まさに、家族にとっては象徴的な要素といえる。
垂直の黒いスチールパイプが林立する階段はまるで衝立のようで存在感がある。階段下には大きめのコンクリート製ベンチシートをしつらえ、住人が集える空間をつくっている。階段としてだけではなく、キッチンとダイニングの繋がりをスムーズに見せるための背景としても考えられた配置もポイントだ。

2階平面図。1階でいうリビング側に寝室が3つ並び、中心には第2リビング。それを挟んで反対側に主寝室がある配置。
3つの並んだ寝室前の廊下からガラス開口を通して
チワワ市の風景を臨める。
階段を上がって直ぐに2階リビング。
ガラス開口からの眺望を楽しめる絶好の配置である。

 2階は大きな開口から自然光の入る明るい空間構成となっている。1階で車3台を置ける駐車スペース(図2カーポート部分)とリビングの上にあたるところに、3つの寝室が並んでまとめられている。その寝室には各々トイレとシャワー室がついている。これら3つの寝室の前の廊下は庭に面しており、ガラス開口越しにチワワの都市風景を臨むことができる。眺望を楽しむために、2階にもリビングをつくり、そのリビングでソファーに腰掛けながら風景を眺めることができる。この住宅のフォーカルポイント(重要な要素)の1つといえる。その奥(1階でいうとキッチンの上)が東向きの専用テラス付きの主寝室にトイレ、シャワー室という配置になっている。

南側から見た外観。夏と冬を快適に過ごせるよう断熱効果の高い外壁材を使っている。

この住宅はコンクリート構造で、その耐力壁の上にボックス型の空間を置き躯体を支える構造をとっている。南と西側の外壁は、ポリエチレンのプレートを断熱に用いて夏の暑い熱と冬の寒さへの対策を施している。
 

コンクリートの地色も生かした色彩計画

基本は、白・グレー・ブラウンを組み合わせ落ち着きある空間にまとめている。

カラースキーム(色彩計画)をメインにこの住宅のインテリアをチェックしてみよう。
基本色は白、グレー、ブラウンを上手に使っている。コンクリート打ちっ放し部分のグレーもそのまま生かし、白く塗装した天井との組み合わせは落ち着きある空間を演出してくれる。

外観のカラーは、2階の手すりから垂れる植栽の緑がポイント。親しみある外観を演出。

外観を見ると、正面ファサードは明るめのカラーのコンクリートと水平張りした木が印象的。その上にコンクリートをフレームとした白のボックスが載っている。2階に配置された3つの寝室にある手すりからは植栽のつるが垂れている。緑のカラーが入ることで、コンクリートの硬さの中にナチュラルな要素が加わり親しみある印象を生み出している。

玄関ドアから入って目の前はダイニング。
シックな色味の1人がけのチェアが目を引く。
ダイニング奥のキッチン。
カウンターには立派なスツールで高級感漂う。

3台駐車できるカーポート側の玄関ドアから入ると、すぐダイニングだ。そのダイニングの奥にあるキッチンカウンターがなんとも魅力的で、レストランにも負けないモダンで硬派なスツールが置かれている。カウンター下やキッチンの壁面は木張りにして温かみを演出している。またキッチンカウンター右横のガラス戸を開ければテラスに出られるのも嬉しいポイント。そこにはアウトドア用のキッチンもあり屋外で食事をする際に便利だ。日本でも最近アウトドアキッチンを設置する人が増えているので参考にしてみるといいだろう。

1階リビングは壁の抽象画がアクセント。
奥にある暖炉の黒が空間全体を引き締め落ち着いた印象を与える。

1階のリビングは、グレーのチェアとダークベージュのソファーやテーブル。木製収納の上の抽象画が白い壁にアクセントとして映える。奥にある暖炉は黒で空間を引き締める効果も期待できる。その直ぐ右横にあるドアを入るとトイレへ続く機能的な間取りといえる。天井には装飾梁の木材が並行して並べられ、チワワ市の気候風土で培った建築を感じ、心地良さがある。床は模様をずらしグレーの石を張るなど、所々にこだわりが見られ印象的なリビングだ。

茶色と床材の石のコントラストが印象的な階段。
2階リビングは、床がフローリングに変わりアットホームな雰囲気が生まれる。

階段を見てみよう。下の三段だけ床と同じ石とし、茶色の木の踏み板とコントラストが美しい。その階段を昇った2階では、床がフローリングに変わり、よりプライベートでアットホームな雰囲気に様変わりする。ここにある第2リビングには黒のソファーセットが置かれ、造り付けの茶の木製キャビネットには大画面のテレビを設置して柔らかな印象の中にメリハリをつけている。

 テレビモニターの大型化、薄型化に伴って、造り付けでテレビを収納する家も増えているが、テレビの収納ばかりでなく幅広く収納を活用したい。造り付けの家具は最初から動線や収納位置を考えているため、空間に統一感が生まれ、日々の暮らしが快適になることは間違いないだろう。 モデルハウスでも様々なインテリアを見ることができる。ぜひモデルハウスへ行って、自分の希望の造り付け家具を考えてみるのもいいだろう。

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