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【第78回】 壁を楽しむ!アートの飾り方、選び方をレクチャー

 日本では昔から床の間の掛け軸を季節に応じて掛け替える文化があります。残念ながら、昨今は和室のない家も増えてきていますが、その代りに壁面を上手に利用して身近にアートを楽しむ方も増えてきました。
 今回は空間の中でも大きな面積を占める“壁”にスポットを当てて、壁面で楽しむインテリア術をご紹介していきましょう。

【1】 毎日を豊かにするアートのある暮らし

 ここ最近のブームによって日本でも日々の暮らしの中でアートに触れる機会が増えてきたようですが、とはいえ、まだまだ海外に比べるとハードルが高いのが現状です。アートはそれを手がけたアーティストの魂が姿形となって宿ったもの。それゆえ、その作品が空間にもたらすインパクトは絶大です。それらがひとつあるだけで、私たちの日々の暮らしは豊かに、そして心に潤いをもたらしてくれます。

また、子どもたちの感性を育むうえでも、幼少期から身近にアートを感じられる環境を整えることはとても大切です。新築を機に、普段から良いものに見て・触れて・感じられる環境を子どもたちに与えてみてはいかがでしょうか?

【2】お洒落な飾り方・選び方をレクチャー

「壁をおしゃれに飾りたい!」と思っても、規制の多い賃貸住宅では限界があります。そして、念願の新居が完成しても、いざ、白い壁を目にすると何を飾ったらいいのかわからず、結局、そのままという方も多いようです。ここでは壁を素敵に彩る飾り方、選び方のポイントを簡単にご紹介します。

①家具と組み合わせる

アートを上手にインテリアに取り入れる海外とは異なり、まだまだ日本の住宅ではハードルが高いようですが、家具とセットに考えると意外としっくりくるものです。たとえば、ソファやベッドなどの空間の主役となる家具の背面や上面にぽっかりと空いたスペースはありませんか?そこにお気に入りの絵や写真などを飾ると空間がグッと引き締まります。

ポイントは家具の半分くらいのサイズを選ぶことです。それだけでも十分に印象は変わってきますが、そこにサイズの違うものをランダムに組み合わせてみると空間にリズム感も生まれてきます。複数のアートを飾る場合は、上下左右のいずれかを揃えたり、色合いやテイスト、フレームの素材などを統一することで、より洗練された雰囲気に仕上がります。

また、チェストやコンソールテーブル*などの置き家具と組み合わせるとバランスもとりやすく、家具の上に置いたオブジェや花、グリーンとのコラボレーションも楽しめます。空間全体でバランスをはかろうとすると難しさもありますが、コーナーごとに考えていくと意外とスムーズにバランスがとれるので、まずは小さなスペースからチャレンジしてみてください。小さな絵や写真から取り入れて、季節ごとに掛け替えて変化を楽しんでもいいでしょう。
*壁面の飾り棚に用いた奥行きの狭いテーブルのこと

②部屋のイメージに合わせる

パブリックな空間であるリビングや玄関には華やかな印象のものを、寝室などのプライベートな空間には落ち着いた印象のものがおすすめです。最近はカラフルな壁紙を使い分けたり、柄入りの壁紙を取り入れる方も増えているので、その際はフレームの色や素材感、フレームが占めるアートとの余白などにも注意して選びましょう。ポイントは、統一感を意識すること。特に寝室は1日の始まりと終わりを迎える大切な場所です。ご自身が心地よいと思えるアートを探してみてください。

また住まいの中で見落としがちな階段や廊下などは、恰好のディスプレイスペース。お気に入りのアートをギャラリーのように見立てて飾るとその場が一気に華やぎます。玄関ホールなどは少し立体感のあるアートを飾るとよりドラマチックな空間に仕上がります。

【3】絵画だけではない!身近なアートで楽しもう!

「有名なアーティストの絵や写真など憧れは尽きませんが、身近なものでも壁面を楽しむ術はたくさんあります。たとえば、手ごろな価格で手に入るポスターやポストカード、子どもたちが描いたお絵描きなども、おしゃれなフレームに入れて飾れば立派なアートの仲間入りです。ダイニングの壁面には、デザイン性の高い陶器のプレートなどを組み合わせて飾ってみてもいいでしょう。
質感が魅力的なテキスタイルを壁面に沿って大胆に垂らしたり、ファブリックパネル*を作って壁に飾っても空間がパッと華やぎます。カラフルな色とストーリー性のあるギャッベ(絨毯)をタペストリー代わりに飾っても素敵です。
壁は自由自在にアレンジが楽しめるキャンパスのようなもの。気分や季節、イベントなどに合わせて自由に楽しんでみましょう。
*北欧が発祥のインテリアで、木製のパネルに模様や絵の入った布を貼って壁を飾るアイテムとして人気があります。


ここでは、壁面をアートで楽しむポイントについてご紹介してきましたが、お気に入りの家具に合わせて家づくりをするように、アートに合わせた家づくり、インテリアコーディネートを楽しむのも1つの方法です。アーティストの有名・無名や作品の大小に関係なく、ご自分が素直に「いいな」と思えるアートを見つけたら、それが一番映える空間や家具をイメージしてみましょう。好きなアートと好きなインテリアのテイストはどこかに必ず共通点があるものなので、意外としっくりと馴染むはず。まずは肩ひじを張らずにお気に入りのアートを探すこと。それこそが“アートのある暮らし”の第一歩といえます。

最新トレンドをおさえたインテリアコーディネートなど見どころが満載の住宅展示場で、アートの取り入れ方や壁面のディスプレイ術のヒントをぜひ探してみてください。


監修・情報提供:フリーライター 石倉 夏枝
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本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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