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【第53回】<特集号>ハウスメーカーと建てる家族が安心して長く暮らせる家 Vol.2 ~省エネと最新のZEH住宅~

今回のコラムは住まいの「省エネ」に関する内容です。地球環境も含めたエネルギー全般に関する話題から最新のZEH住宅など、住まい作りの基礎になるお話になります。なぜ省エネな家が注目されているのでしょうか?

【1】2020年までに省エネが義務化に?!

 政府は賢くエネルギーを消費する社会へ「低炭素社会の実現」を目指しています。1997年に行われた京都議定書にはじまり先日のパリ協定など、地球温暖化対策が急務となっています。そこで自動車、住宅、家電といった業界各分野において省エネの需要が高まっています。実は住宅部門のエネルギー消費量の増加は、世帯数の増加や機器使用の増加など、ライフスタイルの変化が大きく影響していると考えられています。2013年6月に閣議決定された「低炭素社会の実現」では、2020年までに新築住宅において、省エネルギーの基準を達成することが義務付けられました。

低炭素社会の実現(日本再興戦略 2013年6月14日閣議決定)

低炭素社会の実現に向け、規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化する。これに向けて、中小工務店・大工の施工技術向上や伝統的木造住宅の位置付け等に十分配慮しつつ、円滑な実現のための環境整備に取り組む。

要約すると政府の方針として3つの基準を掲げています。

1.2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適合を義務化する
2.より高い省エネルギー性能を有する低炭素認定建築物の普及をはかる
3.2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す

 しかし、義務化することで建築コストが増加することが懸念されています。そこで政府は補助金を交付することで普及活動に取り組んでいます。巷で話題のZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)についても、建築する際には補助金活用で建築する事が可能なことが多いです。

【2】ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)って何?

 「ZEH(ゼッチ)住宅」という言葉を目にしたことはありますか? 「ネット・ゼロ・エネルギーハウス」の略で、日々の家で消費するエネルギーの収支がゼロの家のことを指します。政府が目指している「断熱性能を強化して、エネルギーに依存しない住宅」それがZEHです。

 具体的な例でご説明すると、暖房などの家の中で使用するエネルギーと、太陽光発電などでその家で生み出されたエネルギーの差引がゼロ未満(マイナス)になる住宅のことです。毎月のエネルギー消費を抑え、日々エネルギーを作り出すZEHは 光熱費ゼロに抑えるこれからのスタンダードになることでしょう。光熱費が削減されると家全体にかかる光熱費の支払いについても軽減が見込めます。

 ZEHにするには、主に3つのことが必要になります。1.断熱性向上 2.省エネ設備の設置 3.創エネ です。性能アップと建設費のバランスも考えながら、取捨選択していくことが重要です。ZEHの家は建築コストがアップしますが、各種補助金、減税など受けられることがあります。長い目で見ると日々の生活の維持費が抑えられる分、お得で快適な住まいといえます。政府はそのような地球環境にやさしい住まい作りを推奨しています。

【3】住まいが省エネになると、どんな良いことがあるの?

 低炭素住宅やZEHなど様々な省エネに関する制度が充実していますが、住まいが省エネになると、どんなメリットがあるのでしょうか? 

主に以下の3点が挙げられます。

→維持費が安くなる(毎月の光熱費がダウンする)
→家庭内での事故を抑制する(家の中での温度差によるヒートショックを防止する)
→健康的な家になる(結露を防止しカビ発生を抑える)


 壁や天井、床下などの断熱性能を向上させることで、エアコンなどの冷暖房による電気代など、毎月の光熱費を抑えることができます。使用する断熱材の見た目は同じでも性能は違うことがありますので、性能ランクがどの基準になっているのかの確認が必要です。さらに断熱性を上げるだけでなく、最新のエアコンなどの家電類も性能が向上し、効率が良くなっています。そして照明器具もLEDに変えることで、電気代もグッと安くなります。

 さらに家の中での温度差も少なくなりますので、熱中症やヒートショックなどの事故も減らすことが出来るでしょう。また、寒い時期に発生する結露も少なくなります。濡れたままではカビの発生原因にもなり、健康上よくないので断熱性能を向上し省エネ住宅にすることが、快適な住まいへの近道です。

 省エネルギーに優れた家は、データやカタログではなかなか実感できないものです。モデルハウスでは体験型ショールームなどの志向を凝らした展示がなされるなど、比較検討が出来るスペースのある会社もあります。一度ご自身の目で見て、触ってみることをオススメいたします。最新の補助金情報などもあわせてチェックし、お得な制度を活用し良い住まいづくりにつなげてみてはいかがでしょうか。

 

監修・情報提供:金内浩之(一級建築士)
国土交通省大臣登録 耐震診断資格者(木造住宅診断士)
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本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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