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【第43回】早い者勝ちのお得な制度を一挙公開 住宅ローン金利をさらに下げるフラット35S

住宅金融支援機構と各金融機関が提携して提供されている「フラット35」は全期間固定金利の住宅ローンです。一定の条件を満たす住宅を購入する場合には「フラット35S」が使え、金利の引下げを受けることができます。今回はフラット35Sについてまとめます。

【1】フラット35Sって何?

 フラット35を利用し「省エネ性」「耐震性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」に関するいくつかの基準のうちいずれかを満たす住宅を購入する場合「フラット35S」が使え、▲0.3%の金利引下げを受けることができます。フラット35SにはAプランとBプランがあり、▲0.3%の金利引下げを受けられる期間は、Aプラン適用の場合当初10年間、Bプラン適用の場合当初5年間となります。

 AプランはBプランよりも高い基準をクリアしなければなりませんが、長期優良住宅や低炭素住宅であればAプランが適用されます。大手ハウスメーカーで住宅を建てる場合、省エネ性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性等に優れている住宅が標準になっていると言え、フラット35SのAプランが利用できる場合が多く、ハウスメーカーに住宅建築を依頼する1つのメリットだと言えるでしょう。

【2】フラット35Sのメリットと注意点

 フラット35Sが使えると通常のフラット35を使う場合と比べて毎月返済額、総返済額を減らすことができます。下記の例は3,000万円、35年返済の場合の例ですが、金利引下げのある当初10年間は毎月返済額を4,000円ほど削減でき、11年目以降も毎月返済額を1,000円ほど小さくできています。35年間の総支払額ではフラット35Sが使えると80万円以上得になっていることがわかります。

※金利1.06%は、2016年10月のフラット35の最低金利(融資率9割以下、返済年数21年以上の場合の金利)

 フラット35Sの利用に関して注意すべき点として、マイナス金利導入後、各金融機関の住宅ローンの全期間固定金利タイプの金利が低下したことで、フラット35Sを選ばず、一般の金融機関の全期間固定金利を選んだ方がお得な場合も出てきました。
 フラット35Sの金利には団信保険料相当分が含まれておらず、別途支払う必要があります。一方、一般的な銀行の一般的な住宅ローンでは、金利の中に団信保険料相当分が含まれています。下記の例はX銀行のフラット35Sと、Y銀行とZ銀行の全期間固定金利とを比較したものです。一番下の「トータルの支払」は住宅ローンの総返済額(A)に、団信保険料(B)、融資手数料(C)、保証料(D)を加えた数値です。金利だけで比較するとX銀行のフラット35Sが有利に見えますが、団信保険料や融資手数料等を考慮に入れた「トータルの支払」ではY銀行やZ銀行の方が小さくなって(有利になって)います。

フラット35Sではなく一般的な銀行の全期間固定金利を使った方が得になるケースも!

 今後住宅を建てる際には、フラット35Sとともにハウスメーカーの提携ローン等でフラット35S以外の選択肢も合わせて検討するとよいでしょう。
 なお、フラット35Sの金利引下げを受けるには期限があり2017年3月31日までの申込受付分に対して金利引下げが適用されます。また、フラット35Sには全体の予算金額が決められており、予算金額に達する見込みとなった場合には、早期に終了する可能性もあり注意が必要です。

【3】その他の住宅購入支援制度

 フラット35Sのように住宅購入者を支援する制度は他にもたくさんあります。住宅ローン減税やすまい給付金、住宅取得資金に関する贈与税の非課税制度等です。下表に挙げた制度の期限は元々2019年6月30日までとされていましたが、消費税増税が延期されたことに伴い2021年12月31日まで延期される予定です。

 上記以外の制度では各自治体には住宅購入に関連する補助金が用意されている場合もあります。最近では例えば太陽光発電システムやエネファーム等のエコ関連機器を導入した場合に利用できる補助金が多いです。補助金の額や条件は毎年見直されて発表されます。これらも期限が決められているものが多いです。居住予定の自治体に問い合わせるか、住宅展示場でハウスメーカーに確認・相談してみるとよいでしょう。

 

監修・情報提供:株式会社FPアルトゥル 代表取締役
ファイナンシャルプランナーCFP® 井上光章
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本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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