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家づくり最新コラム

【第42回】50代と30代の家づくりはココが違う! 年代別“暮らしやすい間取り”のコツ

家づくりといえば、まず間取りを考えますが、暮らす世代、家族構成によって注意するポイントは異なります。本日のコラムは、間取りを考える際に押さえたい基本的な要素と、年代別の留意点、そして、間取りのヒントを得るための住宅展示場の活用の仕方を紹介します。

【1】間取りを考える基本要素

 具体的に平面上で間取りを考える前に、まず家族で家づくりの目的を整理しましょう。設計が進んでしまってから、家族の誰かが、「本当はこんなはずじゃなかった!」という事のないように、どんな暮らしがしたいか、家づくりの方向性を家族皆で共有する事が大切です。その為に、まずは、

① 現在の家での不便や不満を洗い出しましょう。

(例)部屋数が足りない、日が当たらない、収納が狭い、間取りが悪く不便、広すぎて管理しきれない。

② これからの暮らし方の希望をリストアップしましょう。

(例)家事の時短ができる間取りにしたい、体に負担が少ない暮らしがしたい。
これからの暮らし方を考える際には、少し先のライフステージも想像しておくとよいでしょう。家の寿命は永くなっていますが、その間、家族の在り方はかなり変化していきます。「子供が増える」「親と同居するかも」「独り暮らしになるかも」といったことも念頭に、永く住める間取り、変化に対応できる間取りを考えることも大切です。

③ ②の希望リストの優先順位を決めましょう。

優先順位は、家族皆で話し合って決めてください。希望が全て叶うとは限りません。何故ならば、間取りを決める要素には、家族の理想の他に、敷地や建築に関係する法律や構造上の制約、そしてコストと予算の関係があるからです。設計が進むにつれて様々な制約が見えてくるものですが、優先順位をしっかり決めておくことで、計画の後戻りや停滞を防ぐ事ができるのです。【図1】

【図1】間取りを決める要素

【2】年代別 間取りで気を付けるポイント

 ここで年代別に留意したい間取りのポイントをいくつか挙げてみます。

30代の子育て世代

  • ・子育ての負担を軽減するためには家事効率のアップを間取りで工夫しましょう。家事の為に動く距離、動く頻度を少なくする動線計画がポイントになります。【図2】
  • ・子育て期間中は親子のコミュニケーションが重要ですが、普段の生活の中で自然にコミュニケーションが取れる間取りを考えてみましょう。【図3】
  • ・子どもの成長に合わせて子供のための空間が変更できると便利です。
  • ・子供の物の数も成長と共に増えていきます。収納スペースも余裕をもって設けておきたいものです。
【図2】回遊性のある家事動線
【図3】コミュニケーションスペースの例

30代~40代 共働き世帯

  • ・夫婦の生活リズムが異なる場合、逆に重なる場合も想定し、また、お互いのプライバシーの確保とコミュニケーションのバランスを考えた間取りが理想的でしょう。例えば出勤時間が重なっても朝の支度を気持ちよく進められるように水廻りや身支度スペースに余裕をもたせたり、回遊性を確保する等です。どちらかが夜遅く帰宅しても、眠っている家族を起こさないようにする間取りの工夫は子育て世代にも必要です。
  • ・主婦に頼らず、家族が各自で物の管理ができるように収納の位置を考える事も、間取り計画において大切なポイントです。家事も家族で分担できるように考えましょう。

50代~ シニア世代

  • ・子供が独立した後、リタイア後のライフスタイルを意識した間取りとなります。
  • ・体力が衰えた時の事も想定しておけば、永く快適に過ごせるでしょう。部屋数よりも管理のしやすさを重視し、寝室と水廻りを近くに配する等、生活動線を短くできるようにしましょう。【図4】
  • ・趣味や生き甲斐を楽しめる間取りは、心身共に健康なシニアライフのためにとても大切です。
  • ・介助や介護が必要になった際の事を想定した可変性も考慮しておくと安心です。
【図4】50代からの間取りの例

【3】二世代・三世代同居(二世帯住宅)の場合

 異なる世代が気持ちよく一緒に住むには、間取りの上での配慮が特に重要になってきます。まずは何のための同居か、その目的を、同居する世代みんなで共有しましょう。

  • ・子供世帯の支援(孫の面倒を見る、経済的負担の軽減)
  • ・資産の有効活用
  • ・親世帯の介護、見守り 等

 二世帯住宅の間取りは、完全分離型・一部分離型・完全同居型といったパターンによって世代間の関わり方が異なってきます。生活のリズムの違いを考えて、お互いが気持ちよく暮らせる間取りを考える事が重要です。【図5】【図6】

【図5】二世帯住宅の種類
【図6】二世帯住宅の生活リズムの違いと間取りの関係

住宅展示場で掴むヒント

 以上のポイントや留意点の他、紙の上だけでは気づかない事もあります。まずは、住宅展示場でいろんな間取りを見て体感し、ヒントを得てください。具体的にモデルハウスの中で動いてみる事で、動線の確認や必要な広さを実感する事ができます。構法や構造によって、技術的にできる事とできない事があるかもしれません。住宅展示場を活用して、より具体的で現実的な間取りにしていきましょう。

 

監修・情報提供:川道恵子(一級建築士)
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本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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