【第40回】今話題のZEH(ゼッチ)って何?最新の住宅事情と2016年度の補助金制度
2016.08.01
住宅展示場を訪れると「ZEH」という言葉をよく目にします。ZEHはゼロ・エネルギー・ハウスの略称で「ゼッチ」と読みます。今回はZEHの特徴やZEHを建てる際に利用できる補助金について解説し、合わせて低炭素住宅や長期優良住宅についてもまとめます。
【1】ZEHとはどんな住宅?
ZEHとは使うエネルギー消費量を正味ゼロ以下にする住宅のことを言います。「省エネ」により使うエネルギーを極力減らすとともに「創エネ」によりエネルギーを作ることで、住宅で使うエネルギーの量を差し引きゼロ以下にすることを目指す住宅です。省エネと創エネで、家庭で必要なエネルギーを自給自足する住宅、ということですね。
ZEHの具体的なイメージは以下のようになります。壁や窓等を高断熱性能のものにする、空調や照明等を高効率のものにする、などして省エネを行った上で、太陽光発電やエネファーム(ガスから取り出した水素と空気中の酸素から電気を作るとともに、発電の際の熱でお湯を沸かす機器)等にて創エネを行います。またHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム:各電気機器をつないでエネルギー使用状況をタブレット等に表示し、各機器をコントロールして最適な状態に制御するシステム)の導入や、電力を貯める蓄電システムの導入も省エネにつながります。
【2】ZEHには嬉しい補助金が
経済産業省の目標では「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現させる」としているように、国もZEHの普及を後押ししています。その一環としてZEHを建てると補助金が受け取れるという制度が作られています。
2016年度は基準を満たすZEHを建てると125万円の補助金が受け取れるようになっています。蓄電システムを導入する場合には、この125万円の補助金に加えて、蓄電容量1kWhあたり5万円の加算があります(最大50万円、または、蓄電システムの価格の3分の1まで)。
住宅をZEHにする場合工事金額は少し高くなってしまいますので、この補助金をうまく使いたいですね。ZEHのことや補助金の詳細は住宅展示場の各ハウスメーカーで話を聞いてみるとよいでしょう。
【3】長期優良住宅や低炭素住宅の検討も
ZEHとは使うエネルギーをネットでゼロにする住宅ですが、使うエネルギーを少なくする住宅ということでは「低炭素住宅」というものがあります。低炭素住宅は二酸化炭素の排出を一定以下に抑えた、省エネを目指した住宅のことです。「長期優良住宅」という言葉もよく見聞きします。こちらは長期にわたって住み続けることを目指す住宅のことで、省エネという観点だけでなく耐震性やバリアフリー性、などの多くの項目で基準を満たす必要があります。
長期優良住宅や低炭素住宅を建てる場合、様々な優遇を受けることができます。住宅ローン減税の最大減税額が大きくなる、投資型減税(住宅ローンを使わない場合でも所得税から減税が受けられる制度)が使える、フラット35Sの金利引下げが使える、登録免許税、不動産取得税、固定資産税が一般の住宅より有利になる、親や祖父母等からの住宅資金贈与の非課税措置の最大非課税枠が大きくなる、といった優遇です。
ZEHを検討されている場合、合わせて長期優良住宅や低炭素住宅の認定を受けることを検討するとよいでしょう。大手ハウスメーカーで住宅を建てる場合は長期優良住宅の基準を満たしている場合が多いです。住宅展示場の各メーカーのモデルハウスで確認してみましょう。
監修・情報提供:株式会社FPアルトゥル 代表取締役
ファイナンシャルプランナーCFP® 井上光章
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