住まいのコラム

【第176回】家を建てる際にかかる固定資産税はいくら?住宅ごとの比較や安く抑えるポイントを紹介

マイホームを取得する際、住宅ローンや建築費と並んで見落としがちな費用が「固定資産税」です。固定資産税は家を持ち続ける限り毎年発生するため、月々のローン返済と同様に資金計画に組み込んでおく必要があります。

本記事では、固定資産税の基本的な仕組みや計算方法、住宅タイプ別の比較、税額を抑えるポイントをわかりやすく解説します。マイホームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を読むとわかること

  • 固定資産税の基本(誰に・いつ課税されるか)と、都市計画税との違い(目的・税率・課税対象の違い)がわかる
  • 固定資産税の計算方法(「評価額 × 1.4%」)と、土地・建物それぞれの評価額の考え方や目安がわかる
  • 住宅用地の特例(対象面積200㎡以下は課税標準が評価額の6分の1など)や、新築住宅の固定資産税減額措置(建物部分が一定期間2分の1)の内容と適用条件がわかる
  • 戸建てとマンション、新築と中古で固定資産税額がどう違うか、税額の目安や負担の傾向が比較してわかる
  • 固定資産税を抑える実践ポイント(特例活用・面積の工夫・設備選び・評価額の確認)と、事前に概算を把握して資金計画に組み込む重要性がわかる

マイホームを取得する際、住宅ローンや建築費と並んで見落としがちな費用が「固定資産税」です。固定資産税は家を持ち続ける限り毎年発生するため、月々のローン返済と同様に資金計画に組み込んでおく必要があります。

本記事では、固定資産税の基本的な仕組みや計算方法、住宅タイプ別の比較、税額を抑えるポイントをわかりやすく解説します。マイホームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

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固定資産税とは

固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有している方が市区町村(東京23区は都)に納める地方税です。毎年1月1日時点で、固定資産課税台帳に登録されている所有者に対して課税されます。

固定資産税の目安は、一般的に戸建て住宅で年間10万〜15万円前後です。ただし、住宅のタイプ(一戸建て・マンション)や土地・建物の面積、築年数などによって税額は大きく異なります。固定資産税評価額は3年に一度見直されるため、購入後も税額が変わることがある点を覚えておきましょう。

都市計画税との違い

固定資産税と同時期に納付するものに都市計画税があります。都市計画税は、道路や公園などの整備費用に充てるための税金で、原則として「市街化区域内」の土地・建物が対象となります。計算式は「固定資産税評価額×税率(上限0.3%)」です。

固定資産税との主な違いは「目的」「税率」「課税地域」です。また、固定資産税は償却資産(事業用の機械・器具など)も課税対象となるのに対し、都市計画税は対象外となります。

固定資産税の計算方法

固定資産税の基本的な計算式は、以下のとおりです。

固定資産税評価額(課税標準額)× 1.4%(標準税率)

土地と建物でそれぞれ計算し、その合計が年間の納税額となります。以下では、土地と建物に分けて具体的な計算式と目安を紹介します。

土地

土地の固定資産税評価額は、地価公示価格の70%程度が目安であり、課税標準額がそのまま評価額とはなりません。例えば、公示価格が1,500万円の土地の場合の評価額は約1,050万円となり、固定資産税は1,050万円×1.4%=約14.7万円が基本額です。

ただし、住宅が建っている土地には住宅用地の特例が適用され、実際の税額は大幅に軽減されます。土地の固定資産税は建物と異なり経年による減価がないため、地価の動向が税額に影響します。

建物

建物の固定資産税評価額は、原則として課税標準額がそのまま評価額となり「再建築価格(同じ建物を再び建てるのに必要な費用)×経年減点補正率」で算出されます。建物の固定資産税評価額は、再建築費の50〜60%程度が目安です。

例えば、建築費が2,500万円の場合の評価額は1,250万〜1,500万円程度で、固定資産税は1,250万円×1.4%=約17.5万円となります。さらに、新築住宅には軽減措置が適用されます。建物は年数が経つにつれて、評価額が下がっていく仕組みです。

固定資産税の軽減措置

固定資産税には、一定の条件を満たすことで税負担を大幅に軽減できる制度が設けられています。代表的な軽減措置として「住宅用地の特例」と「新築住宅に係る税額の減額措置」の2つについて、以下で詳しく紹介します。

住宅用地の特例

住宅が建っている土地には住宅用地の特例が適用され、固定資産税の課税標準が大幅に引き下げられます。

区分 対象面積 軽減内容(固定資産税)
小規模住宅用地 200㎡以下の部分 課税標準が評価額の6分の1
一般住宅用地 200㎡超の部分 課税標準が評価額の3分の1

対象となる用地は、以下のとおりです。

  • 戸建てやマンションの専用住宅の敷地
  • 居住部分の割合が一定以上ある併用住宅の敷地

適用できる上限面積は、建物の床面積の10倍までです。住宅用地の特例は基本的に申請手続きが不要で、住宅が建っていれば自動的に適用されます。

ただし、建物が老朽化して特定空き家などに指定された場合は特例が外れ、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。更地にすると特例が外れて税額が増加するため、建て替え時のスケジュール管理も重要です。

新築住宅に係る税額の減額措置

一定要件を満たす新築住宅の場合、建物部分の固定資産税が一定期間2分の1に減額されます(適用期限:令和8年3月31日)。

住宅の種類 適用期間
一般住宅(2階建て以下の戸建て) 新築後3年間
一般住宅(マンション等3階建て以上、耐火・準耐火構造) 新築後5年間
認定長期優良住宅(戸建て) 新築後5年間
長期優良住宅(マンションなど) 新築後7年間

減額の対象は建物部分のみで、1戸あたりの床面積120㎡相当分までが上限です。一般住宅の場合は自治体が自動的に適用するケースも多いですが、認定長期優良住宅の場合は認定通知書の写しを添付した申請が必要なことがあります。

適用期間が終了すると税額は元に戻るため、急に支出が増えないよう事前に把握しておきましょう。

固定資産税額の比較

住宅のタイプや新築・中古の種類によって、固定資産税額の目安は大きく変わります。ここでは、「戸建てとマンション」「新築と中古」でそれぞれ比較します。

戸建てorマンション

同じ価格帯の物件を比較した場合、建物評価額が高くなりやすいマンションのほうが、固定資産税がやや高くなるケースが多いです。

区分 固定資産税額の年間目安
戸建て 10万〜15万円前後
マンション 15万〜20万円前後

それぞれの特徴を以下に整理します。

【戸建て】

  • 木造が多く、評価額が下がりやすい
  • 建物の耐用年数は22年程度で、評価額が早めに下がる
  • 土地の割合が大きく、住宅用地の特例による軽減効果が大きい

【マンション】

  • RC造が多く、評価額が高い
  • 建物の耐用年数が約47年と長く、評価額が下がるスピードが遅い
  • 区分所有のため土地持分が小さく、住宅用地の特例の軽減効果が小さい

長期的には木造戸建てのほうが建物評価額の下がるスピードが速いため、築年数が経つにつれて税負担が低くなる傾向にあります。

新築or中古

物件の価格帯にもよりますが、一般的に新築のほうが建物評価額が高いため、固定資産税は高くなる傾向にあります。ただし、新築には軽減措置があるため、最初の数年間は税額が抑えられます。それぞれの特徴は以下のとおりです。

【新築住宅】

  • 建物評価額が高い
  • 軽減措置により数年間は税額が2分の1になる

【中古住宅】

  • 築年数に応じて建物評価額が年々下がる
  • 築浅でない限り新築住宅特例の適用はなく、軽減措置は基本的にない

同じ規模の戸建て住宅で比較した場合、築10年の中古住宅と新築住宅では、中古のほうが年間5万〜10万円前後安くなることが多いです。なお、中古住宅の場合は売主から固定資産税の納税通知書を確認できるため、購入前に実際の税額を把握しやすいというメリットがあります。

固定資産税を安くする方法

固定資産税は毎年発生するランニングコストだからこそ、少しでも抑えることが大切です。以下の4つのポイントを押さえておきましょう。

特例・軽減措置を活用する

住宅を建てる際は、住宅用地の特例や新築住宅の減額措置を確実に活用することが節税の基本です。建て替えを行う場合は、解体から新築引き渡しまでの期間に注意しましょう。建物が存在しない期間が発生すると、住宅用地の特例が外れてしまうため、1月1日時点での状況を意識しながら工事スケジュールを組むことが大切です。

面積を考慮してコンパクトな住宅にする

土地も建物も面積が大きいほど評価額が高くなり、固定資産税が上がる傾向にあります。土地は200㎡以下であれば小規模住宅用地の特例がフル活用でき、税制上有利です。建物についても、床面積を必要以上に広くしないことで、建築費と固定資産税の両方を抑えられます。

必要な設備・デザインを見極める

固定資産税評価は建物の構造だけでなく、設備のグレードによっても影響を受けます。床暖房や全館空調、豪華な内装材など、評価額を押し上げる設備は固定資産税アップの要因になることも少なくありません。本当に必要な設備かどうかを慎重に見極め、コストパフォーマンスの高い選択をすることが節税につながります。

評価額が適正か確認する

毎年届く固定資産税課税明細書は、必ず内容を確認しましょう。確認すべき主なポイントは、以下のとおりです。

  • 床面積が実際の面積と一致しているか
  • 建物の構造が正しく記載されているか
  • 地目に誤りがないか など

評価額に誤りや疑問がある場合は、固定資産評価審査委員会に審査の申し出を行うことが可能です。修正が認められれば過去5年分にさかのぼって還付を受けられるため、課税明細書を毎年チェックするようにしましょう。

マイホーム取得時には事前におおよその固定資産税額を把握しておこう

固定資産税額は、住宅タイプや面積・築年数などによって異なりますが、一般的な戸建てでは年間10万〜15万円前後と高額です。長期的な資金計画を立てておくほか、トータルコストを抑えるには軽減措置を活用するなど工夫しましょう。住宅展示場では、資金計画のご相談も随時受け付けています。ぜひお気軽にお越しください。

 


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