【第169回】奈良県で注文住宅を建てるなら？エリアの魅力や費用相場、お得な情報を紹介
2025.10.31
奈良県は多くの史跡がある古都であり、観光地としても知られるエリアです。注文住宅を建てるときに重要なのが土地選びであり、家族にとって住みやすいエリアを選ぶには、利便性や治安など、さまざまな面を考慮する必要があります。
そこで本記事では、奈良県の地域特性や利便性、魅力的なポイント、費用相場、利用できる公的な補助金など、注文住宅を建てる際に知っておきたい情報を紹介します。家族が快適に暮らせる家づくりのために、ぜひお役立てください。
＜ＩＮＤＥＸ＞
奈良県の基本情報
まずは、奈良県の地理的な特徴や交通事情、主要施設など、マイホームを建てるにあたって知っておきたい基本情報をまとめて解説します。
奈良県の地域特性
近畿地方に位置する奈良県は、大阪府・京都府・和歌山県・三重県の2府2県に囲まれた内陸県です。面積は約3,691k㎡、人口は約127万人で、市街地は北西の平野部に集中しています。
気候は、北部が夏は暑く冬は寒い内陸性気候で、南部が夏に雨が多く冬は厳しい寒さが続く山岳性気候です。夏から秋にかけては台風が接近することも多いため、家を建てる際は、大雨や暴風への対策も考える必要があります。
交通アクセス
奈良県内にある鉄道網はJRと近鉄で、特に近鉄の路線が充実しています。通勤・通学などで鉄道を利用する場合は、どちらの沿線に住むと便利なのかを確認するのがおすすめです。なお、鉄道駅は北部に集中しているため、南部では自家用車またはバスでの移動が前提となります。県内で暮らすファミリーは自家用車を持っているケースが多く、特に郊外で暮らす場合は移動手段として欠かせません。道路は大阪方面と接続する阪奈道路や、京都・和歌山方面と接続する京奈和自動車道が利用可能で、県北部を横断する名阪国道も重要な役割を果たしています。
県内に空港はなく、飛行機を利用する場合は大阪府にある関西国際空港（関空）、または伊丹空港を利用することになります。関西国際空港までは電車またはリムジンバスで約90分です。新幹線を利用したいときは、大阪府の新大阪駅または京都府の京都駅に行く必要があります。
治安
奈良県は全国的にみても治安がよいといわれていますが、地域によって差があります。県庁所在地である奈良市や、かつて藤原京が置かれた橿原市は観光地でもあるため、できるだけ都市部のにぎやかなエリアから離れたところを選ぶのがおすすめです。
県内で比較的治安がよいのは、大阪府東部との結びつきが強い生駒市、のどかな自然が広がる五條市などです。奈良県では地域の治安向上のために、自主防犯ボランティアの支援、防犯・防災リーダー研修の実施といった防犯強化対策を行っています。
文化・イベント
奈良県にはかつて平城京として栄えた歴史があり、7世紀に建立された法隆寺や大仏で有名な東大寺など、日本を代表する歴史的建造物が今も残されています。東大寺の「お水取り」をはじめ、当時の文化を感じられる伝統行事も少なくありません。
また、広大な平城京跡は公園として整備され、フェスタやマルシェ、自然観察会といった市民が集まるイベントの会場としても活用されています。
施設（買い物・医療・子育て）
以下では、奈良県で暮らす際に日常の買い物や通院、子育てに役立つ施設を紹介します。
【買い物施設（大型商業施設）】
- ミ・ナーラ
- ならファミリー
- 近鉄百貨店（奈良店・生駒店・橿原店）
- イオンモール大和郡山
- イオンモール橿原 など
【医療施設】
- 奈良県立医科大学附属病院
- 市立奈良病院
- 済生会奈良病院
- 奈良県総合医療センター
- 西の京病院
- 天理よろづ相談所病院
- 秋津鴻池病院 など
【子育て施設】
- 奈良公園
- 生駒山上遊園地
- 奈良健康ランド
- うだ・アニマルパーク
- 橿原市立こども科学館
- 奈良金魚ミュージアム・いきものミュージアム など
奈良県で注文住宅を建てる場合の費用相場
2024年度の住宅金融支援機構のデータによると、奈良県で土地と建物の両方を購入する場合の費用相場は5,301万5,000円です。ここでは、奈良県で注文住宅を建てる際にかかる費用相場を解説します。
土地の費用相場
土地の取得にかかる全国と奈良県の費用相場は、以下のとおりです。
| エリア | 土地取得費 |
|---|---|
| 奈良県平均 | 1,548万6,000円 |
| 全国平均 | 1,495万1,000円 |
全国平均との差は53万5,000円で、奈良県のほうがやや高めです。
建築費相場
住宅を建てる際の相場についても確認しておきましょう。「土地から購入する場合」と「既に土地を所有している場合」のケースごとに、建築費相場と敷地面積および延床面積の平均について紹介します。
土地から購入する場合（土地付き注文住宅）
土地と住宅の両方を購入する場合の敷地面積および延床面積、建築費は次のとおりです。
| 敷地面積 | 延床面積 | 建築費 | |
|---|---|---|---|
| 奈良県平均 | 231.2㎡ | 113.9㎡ | 3,752万9,000円 |
| 全国平均 | 251.2㎡ | 111.1㎡ | 3,512万円 |
敷地面積は全国平均より20㎡狭いものの、延床面積はわずかに広く、建築費は240万円ほど高めです。奈良県では、比較的広い土地を確保しやすく、敷地を最大限に活用して住宅を建てるケースが多いと推測できます。
既に土地を所有している場合（注文住宅）
奈良県で既に持っている土地に注文住宅を建てる場合の敷地面積および延床面積、建築費は次のとおりです。
| 敷地面積 | 延床面積 | 建築費 | |
|---|---|---|---|
| 奈良県平均 | 326.8㎡ | 131.4㎡ | 4,238万8,000円 |
| 全国平均 | 329.7㎡ | 118.5㎡ | 3,932万1,000円 |
敷地面積は全国平均と近い一方で、延床面積は奈良県のほうが広く、建築費は300万円以上高額です。奈良県では注文住宅を建てる際に、建物に費用をかける傾向があります。
注文住宅を建てるのにおすすめのエリア
快適な注文住宅をつくるには、完成後の暮らしをイメージしてエリアを選ぶことも重要なポイントです。以下では、奈良県で注文住宅を建てるのにおすすめのエリアを紹介します。なお、ここで紹介する土地価格相場は、SUUMOの土地価格相場情報を参照したものです。
奈良市
県の北部に位置し、約34万5000人が暮らす奈良市は奈良県の県庁所在地です。8世紀には平城京が築かれ、日本の都として発展しました。当時建てられた東大寺や唐招提寺などは、奈良の歴史と文化に触れられるスポットとして全国的に有名です。
地形は西側が平地、東側が丘陵地で、市街地や駅、商業施設などは西側に集中しています。鉄道はJRと近鉄の2路線が利用可能で、京都や大阪の主要都市にはおおよそ1時間以内でアクセスできます。また、にぎやかなエリアでありながら街中に古墳や史跡が点在しているのも、奈良市ならではの特徴です。
奈良市で家づくりをご検討の際は、ぜひ毎日ハウジング奈良住宅展示場へお越しください。
【土地価格相場】
35万円/坪
生駒市
県の北西部にある生駒市は、南北に細長い形をした人口約11万6,000人の街です。生駒山地の東側に位置し、生駒トンネルを抜ければ大阪府という立地上、大阪府のベッドタウンとして開発された経緯があります。近鉄線で大阪・難波には約20分、奈良市の中心部には15分程度で行くことができ、大阪と奈良の両方にアクセスしやすいのが特徴です。
市内には生駒山上遊園地や生駒山麓公園など、自然を楽しめるお出かけスポットもあり、利便性と住環境が備わっています。
【土地価格相場】
32.9万円/坪
大和郡山市
奈良市の南西部にある大和郡山市は、戦国時代に建てられた郡山城の城下町として発展した町です。金魚の産地としても知られ、「金魚とお城のまち」というキャッチコピーを使用しています。人口は約8万2,000人と規模は大きくないものの、JRと近鉄の2路線が利用でき、西名阪自動車道のインターチェンジもあるため、奈良市や大阪・京都方面への交通アクセスのよさが特徴です。昔ながらの町並みや神社仏閣などが点在する風情あるエリアながら、イオンモールやアピタといった大型商業施設もあり、暮らしやすい環境が整っています。
【土地価格相場】
26.9万円/坪
天理市
奈良市の南側に位置する天理市は、約6万人の市民が暮らす街です。市の名前は天理教の本部があることに由来し、現在も国内屈指の宗教都市として知られています。
一方で、鉄道はJRと近鉄、道路は西名阪自動車道、名阪国道、京奈和自動車道が通る交通の要所でもあり、特に自動車での移動がしやすい点が大きな魅力です。街全体にのどかな雰囲気があり、市役所の北側にある美しいイチョウ並木は、市を代表する名所として親しまれています。
【土地価格相場】
28.6万円/坪
香芝市
県の北西部にあり約7万8,000人の市民が暮らす香芝市は、大阪府のベッドタウンとして人気のエリアです。大阪・難波までは電車で約35分、奈良市までは電車または車で約30分と交通アクセスがよく、市内にはマンションやニュータウンが建ち並んでいます。
また、自然がすぐ近くにあるのも魅力の一つで、田園風景や万葉集にも登場する二上山の景観は、季節の移り変わりを感じさせてくれます。
【土地価格相場】
31.4万円/坪
奈良県で住宅を建てるときに役立つ補助金情報
家を建てる際は、公的な補助金を活用することで費用の負担を軽減できます。ただし、各補助金には要件があり、ほかの補助金制度と併用不可となっていることも少なくありません。申請する前に、利用できるかどうかの確認が必要です。
国が実施する補助金情報
まずは、国が実施している補助金制度を3つ紹介します。
子育てグリーン住宅支援事業
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、要件を満たす省エネ住宅の建築を支援する制度です。住宅を新築する際には、住宅の種類に応じた補助が受けられます。
【主な適用条件】
- GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅のいずれかを新築
- 子育て世帯または若者夫婦世帯である（GX志向型住宅はすべての世帯が対象）
- 床面積が50㎡以上240㎡以下
- 2024年11月22日以降に、基礎工事より後の工程の工事に着手している
【補助額】
- GX志向型住宅：160万円/戸
- 長期優良住宅：80万円/戸（古家の除却を行う場合は100万円/戸）
- ZEH水準住宅：40万円/戸（古家の除却を行う場合は60万円/戸）
申請期間は2025年12月31日までです。ただし、予算が上限に達した時点で受付が終了となるため、注意しておきましょう。なお、第3期のGX志向型住宅を対象とした補助金については、既に受付が終了しています。
給湯省エネ2025事業
エコキュートなど、エネルギー効率にすぐれた家庭用給湯器の導入を支援するための制度です。
【主な適用条件】
- 新築住宅または既存住宅に、エコキュート・ハイブリッド給湯機・エネファームのいずれかを導入
【補助額】
- エコキュート：6万円/台
- ハイブリッド給湯機：8万円/台
- エネファーム：16万円/台
※戸建て住宅の場合はいずれか2台まで
なお、各機種に定められた加算要件を満たすことで、補助額がアップします。申請期間は2025年12月31日までですが、予算が上限に達した時点で打ち切られるため注意してください。
戸建住宅ZEH化等支援事業
一次エネルギー消費量ゼロを目指したZEH、もしくは太陽光発電などの自家消費拡大を目指したZEH（ZEH+）の新築を支援する制度です。
【主な適用条件】
- 常時居住するZEHまたはZEH+住宅の建築・購入
- 環境共創イニシアチブに登録されたZEHビルダー/プランナーが関与している
- 申請時点でBELS取得前かつ工事着手前であり、交付決定通知を得た後に着手する
- 住宅の敷地が土砂災害特別警戒区域や災害危険区域などに該当しない
【補助額】
- ZEH：55万円/戸
- ZEH+：90万円/戸
このほか、蓄電システムなどの導入設備に応じて追加補助を受けることが可能です。
奈良県が実施する補助金情報
次に、奈良県が独自に実施している補助金について紹介します。
県産材を使用した住宅助成事業
県産材の利用拡大を目指し、県産材を使用して住宅の新築・増築・改築（リフォーム）を行う際に助成する制度です。
【主な適用条件】
- 住宅の新築や増築、改築に奈良県産JAS材・奈良県地域認証材・奈良県産材のいずれかを使用
【補助額】
- 構造材に5㎥以上を使用：奈良県産JAS材30万円、奈良県地域認証材15万円、奈良県産材10万円（いずれか一つのみ選択可能）
- 内装材に20㎡以上を使用：奈良県産JAS材20万円、奈良県地域認証材10万円、奈良県産材5万円（いずれか一つのみ選択可能）
交付申請は2025年11月14日まで（内装材のみの場合は2026年2月13日まで）となっているため、受付期間内に早めに申請を行いましょう。
スマートハウス普及促進事業補助金
災害時に備えたエネルギー確保や省エネルギーの推進を目的とした、定置用リチウムイオン蓄電池やエネファームなど、スマートハウス関連設備の導入を支援する県内在住者向けの制度です。
【主な適用条件】
- 補助対象設備が設置された住宅の購入または、既存住宅への補助対象設備の設置
【補助額】
- 設備および地域によって異なる（3万～20万円）
なお、2025年度の本補助金制度は予算の上限に達したため、既に受付が終了しています。
歴史と自然が調和する奈良県で豊かな暮らしを実現しよう
生駒山地や金剛山地などの豊かな自然と、日本の都として栄えた歴史がある奈良県は、文化的な暮らしを実現できるエリアです。日本の伝統や文化を身近に感じられる古都ながら、大阪・京都の中心部へアクセスしやすく、利便性が高い点も大きな魅力です。
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