【第160回】神奈川県で建てる注文住宅|おすすめの地域や新築時に役立つ情報を紹介
2025.07.31
神奈川県は、交通の利便性が高く、豊かな自然環境や充実した住環境が期待できる住みやすいエリアです。しかし、神奈川県での注文住宅建築を検討するうえで、どの地域が住みやすいのか、費用はどれくらいかかるのかなど、疑問を抱えている方もいるでしょう。
本記事では、神奈川県の地域特性やおすすめの地域など、注文住宅を建てる際に知っておきたい情報を解説します。費用相場や利用できる補助金も紹介するので、家づくりを検討中の方はぜひお役立てください。

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神奈川県の基本情報
注文住宅を建てるにあたり、まずは神奈川県の基本情報を確認しておきましょう。地域特性や交通アクセス、治安など、神奈川県で暮らす上で知っておきたい内容を解説します。
神奈川県の地域特性
神奈川県は関東地方に位置する人口約922万人の県で、面積は約2,416km²です。首都である東京都と、山梨県および静岡県に隣接し、東京湾と相模湾という二つの湾に面しています。地形的には北西部に丹沢山地や箱根山地が連なる一方で、東部と南部は平坦な地形となっています。
また、神奈川県の気候は太平洋側気候です。太平洋の黒潮の影響を受け、年間を通じて温暖で雨の日が多い傾向が見られます。
交通アクセス
神奈川県は県内外への移動手段が充実しており、羽田空港にも近いため国際的なアクセスも良好です。東海道本線や横須賀線などのJR各線に加え、東急電鉄や小田急電鉄などの私鉄も多数運行し、東京都心への移動もスムーズです。横浜駅、武蔵小杉駅、藤沢駅、川崎駅といった主要駅を中心に、路線バスも整備されています。
高速道路は東名高速道路、新東名高速道路、中央自動車道が県内を通過し、首都高速道路にも接続しています。一般道では、国道134号線や国道246号線などが代表的です。
治安
神奈川県全体の治安は比較的良好です。犯罪件数は東京都の半分程度となっており、全国的に見ても低い水準です。特に県東部の川崎市や横浜市の一部地域では治安が良い傾向にあり、西部でも南足柄市、湯河原町、真鶴町などは暮らしやすいエリアとして知られています。
県内は防犯対策が充実しており、住宅の防犯については「かながわ安心・安全な住まいづくり相談窓口」を通じて、専門家への無料相談が可能です。
文化・イベント
神奈川県は、生活の中に歴史や文化が息づいている土地です。鎌倉や小田原といった歴史ある街並みをはじめ、重要文化財に指定された元箱根石仏群など、趣深い名所が数多く点在しています。また、金太郎伝説で知られる足柄山など、誰もが知る昔話の舞台もあります。
また、神奈川県は地域の祭りも盛んで、流鏑馬で有名な鶴岡八幡宮の例大祭や、湘南地域で開催される浜降祭などが代表的です。一年を通じて多様な文化・イベントを楽しめるので、充実した時間を過ごせるでしょう。
施設(買い物・医療・子育て)
神奈川県内には多数の施設があり、日常生活を送るのに便利です。大型商業施設としては、ららぽーと横浜、テラスモール湘南、ラゾーナ川崎プラザなどがあります。
医療施設は北里大学病院、聖マリアンナ医科大学病院、東海大学医学部付属病院などが代表的です。家族連れで遊びに出かけやすい施設も充実しており、MARK IS みなとみらい、新江ノ島水族館、イオンモール大和など、用途に応じて使い分けられます。
神奈川県で注文住宅を建てる場合の費用相場
2023年度のフラット35利用者調査によると、神奈川県で土地付き注文住宅を購入する際の費用相場は、5,800万9,000円が相場です。以下では土地と建物に分けて、注文住宅を建てる際の費用相場を解説します。
土地の費用相場
土地の取得にかかる費用相場は、全国平均が1,497万6,000円に対し、神奈川県平均は2,490万6,000円です。関東圏で東京都に隣接する好立地であることが、土地単価を押し上げている要因と考えられます。
建築費相場
以下では土地の取得状況に応じて、神奈川県で注文住宅を建てる際の建築費相場を解説します。
土地から購入する場合(土地付き注文住宅)
以下では、神奈川県の土地付き注文住宅の建築費を全国と比較しました。
| 敷地面積 | 延床面積 | 建築費 | |
|---|---|---|---|
| 神奈川県平均 | 161.5㎡ | 106.5㎡ | 3,310万3,000円 |
| 全国平均 | 249.9㎡ | 111.2㎡ | 3,405万8,000円 |
神奈川県の建築費は全国平均を下回っています。また、敷地面積が全国平均より狭い傾向が見られます。
すでに土地を所有している場合(注文住宅)
土地をすでに取得している場合の建築費は以下のとおりです。
| 敷地面積 | 延床面積 | 建築費 | |
|---|---|---|---|
| 神奈川県平均 | 192.5㎡ | 118.0㎡ | 4,154万8,000円 |
| 全国平均 | 334.5㎡ | 119.5㎡ | 3,861万1,000円 |
土地を取得済みの場合は、神奈川県の建築費が全国平均を上回っています。土地代がかからない分、建築そのものにより多くの費用をかけていることがわかります。
注文住宅を建てるのにおすすめのエリア
ここからは、神奈川県で注文住宅を建てる際におすすめのエリアを紹介します。なお、土地の平均価格は、SUUMO物件情報に掲載された2025年7月時点のデータを使用しています。
川崎市
神奈川県北東部に位置する川崎市は、人口約156万人が暮らす活気ある街です。川崎駅には東海道本線や京浜東北線などのJR各線が乗り入れており、羽田空港までのアクセスも良好です。近年は再開発により駅周辺の環境整備が進み、治安面でも安心して暮らせる街へと変化しています。
特に多摩区、高津区、中原区は住環境が整っているエリアとして人気が高く、注文住宅の建築地としてもおすすめです。川崎市の住宅展示場については以下にてご覧ください。
川崎中原ハウジングギャラリー|川崎市中原区の展示場の展示場|家サイト|住宅展示場ガイド
【土地価格相場】
| エリア | 坪単価 |
|---|---|
| 川崎市中原区 | 237.2万円/坪 |
| 川崎市幸区 | 216.6万円/坪 |
| 川崎市川崎区 | 178.2万円/坪 |
| 川崎市高津区 | 135.3万円/坪 |
| 川崎市多摩区 | 117.7万円/坪 |
| 川崎市宮前区 | 103.2万円/坪 |
| 川崎市麻生区 | 79.5万円/坪 |
横浜市
神奈川県南西部に位置する横浜市は、約377万人が生活する大きな街です。県内各地や都心部への交通アクセスが充実しており、通勤・通学にも便利な立地となっています。ランドマークタワーや中華街、シーパラダイスといった有名な観光スポットが多いのも横浜市の魅力です。特に港北区や都筑区は、子育て世帯からも人気が高い街として知られています。
【土地価格相場】
| エリア | 坪単価 |
|---|---|
| 横浜市西区 | 228.6万円/坪 |
| 横浜市港北区 | 143.7万円/坪 |
| 横浜市神奈川区 | 133.6万円/坪 |
| 横浜市中区 | 128.5万円/坪 |
| 横浜市都筑区 | 128.2万円/坪 |
| 横浜市青葉区 | 113.3万円/坪 |
| 横浜市鶴見区 | 110.8万円/坪 |
| 横浜市南区 | 86万円/坪 |
| 横浜市泉区 | 82.7万円/坪 |
| 横浜市緑区 | 81.2万円/坪 |
| 横浜市磯子区 | 80.5万円/坪 |
| 横浜市港南区 | 75.1万円/坪 |
| 横浜市瀬谷区 | 74.7万円/坪 |
| 横浜市旭区 | 74.7万円/坪 |
| 横浜市保土ケ谷区 | 73.7万円/坪 |
| 横浜市戸塚区 | 66.8万円/坪 |
| 横浜市金沢区 | 66.4万円/坪 |
| 横浜市栄区 | 61.7万円/坪 |
海老名市
神奈川県のほぼ中央に位置する海老名市は、約14万人が暮らす街です。主要駅の海老名駅にはJR相模線や小田急線など複数の路線が乗り入れており、県内各地へのアクセスが良好です。
現在、海老名駅を中心とした再開発事業が進められていますが、豊かな自然環境も保たれています。休日には家族連れに人気の相模三川公園でアウトドア活動を満喫でき、ドライブの立ち寄りスポットとして有名な海老名サービスエリアも多くの人に愛されています。海老名市の住宅展示場については以下にてご覧ください。
海老名ハウジングギャラリー|神奈川県海老名市の展示場|家サイト|住宅展示場ガイド
【土地価格相場】
67.5万円/坪
大和市
神奈川県北部に位置する大和市は約24万人が暮らす街で、横浜市と東京都に隣接しています。相鉄線や小田急線など複数の路線が利用でき、都心部へのアクセスも良好です。市内には数多くの神社仏閣が点在し、かつて宿場町として発展した歴史的な面影を今でも感じられます。
適度な自然環境にも恵まれているところも、大和市の魅力です。引地台公園は、春の季節には桜を楽しむ花見客で大変賑わい、日頃もスポーツやアウトドアの場所として親しまれています。
【土地価格相場】
86.4万円/坪
厚木市
神奈川県のほぼ中央に位置する厚木市は、約22万人が暮らす街です。南部には小田急線が通っており、県内各地や都心部へのアクセスに優れています。近隣の海老名市を通るJR相模線も利用しやすく、交通の利便性が良好です。
市の西部に広がる山にはあつぎ温泉郷や、あつぎつつじの丘公園などの自然豊かなスポットが広がっており、都市機能と自然環境が調和した魅力的な地域となっています。
【土地価格相場】
44.6万円/坪
神奈川県で注文住宅を建てるときに役立つ補助金情報
以下では、神奈川県で注文住宅を建てるときに役立つ補助金情報を紹介します。国と各自治体の補助金制度を併用できないケースが多く見られるため、事前に条件を確認しておきましょう。
国が実施する補助金情報
まずは、神奈川県で注文住宅を建てる際に利用できる国の補助金制度を3つ紹介します。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、主に子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、省エネ性能の高い住宅の新築や購入を支援する制度です。補助対象住宅ごとに補助額は異なり、1戸あたりの補助額はGX志向型住宅で160万円、長期優良住宅で80万円、ZEH水準住宅で40万円です。(別途条件で加算額あり)
申請期間が限定されており、予算上限に達すると受付終了となります。利用を検討している方は、早めに申請しましょう。
新築・GX志向型住宅分の補助金申請額が予算上限額に達したため、交付申請(予約含む)の受付を終了しました。(2025年07月22日発表)
給湯省エネ2025事業
給湯省エネ2025事業は、高効率給湯器の導入を支援し、家庭の省エネ化を促進するための制度です。導入する機器によって補助額は異なり、1台あたりエコキュートが6万円、エネファームが16万円、ハイブリッド給湯機が8万円の補助を受けられます。戸建住宅の場合、いずれか2台までです。
補助金の対象機器は事前に登録された製品に限定され、性能基準を満たす必要があります。申請は給湯器設置後に行うため、事前に対象機器の詳細を確認しておきましょう。
戸建住宅ZEH化等支援事業
戸建住宅ZEH化等支援事業は、ZEH住宅の普及を図る目的で、高い省エネ性能を持つ住宅の新築・改修を支援する制度です。
補助金の対象はZEH基準を満たす戸建住宅で、ZEHは55万円、ZEH+は90万円の基本補助に対して対象設備を追加するごとに補助額が加算されます。
申請は工事着手前に行う必要があり、事前の手続きが必須です。また、技術的な要件以外にも複雑な条件があるため、詳細を確認しておきましょう。
神奈川県が実施する補助金情報
次に、神奈川県の自治体が独自で実施する補助金情報を紹介します。
【川崎市】太陽光発電設備等設置費補助金
川崎市が実施する太陽光発電設備等設置費補助金は、再生可能エネルギーの導入及び地産地消を促進するための制度です。
補助対象者は、川崎市内居住者または居住予定者です。住宅や設備の仕様によって補助額は異なり、例えばZEH住宅では25万円、太陽光発電設備の設置(FITを適用するもの)では4万円の補助が受けられます。
申請手続きは主にオンラインで行いますが、請求書のみ郵送提出となります。詳細を確認して不備を避けましょう。
神奈川県で都会と田舎を両立した暮らしを実現しよう
神奈川県は県内外へのアクセスに優れ、歴史や文化を楽しみながら暮らせる活気ある地域です。注文住宅のイメージを膨らませるには、住宅展示場でモデルハウスを見学してみましょう。
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