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【第150回】2025年の住宅ローン控除!基礎知識や改正点、活用時の注意点とは

住宅ローン控除を利用すると、新築住宅を建てる際に費用面の負担を抑えてマイホームを実現できます。ただし、住宅ローン控除は年ごとに制度が変更される場合があるため、「今の制度がどうなっているか分かりづらい」「どれくらい控除を受けられるか知りたい」と悩んでいる方もいるかもしれません。

本記事では、住宅ローン控除制度の概要や適用条件、2025年以降の改正点や活用時の注意点などを解説します。2025年に住宅ローン控除を使って新築住宅を建てようと考えている方や、マイホームを検討中の方はぜひ参考にしてみてください。


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住宅ローン控除について

住宅ローン控除とは、新築住宅を建てたり家のリフォームや増改築を行ったりした場合に、一定の条件を満たすと所得税の減税を受けられる制度です。なお、所得税から控除しきれない場合は、翌年の住民税からも一部控除されます。正式名称は「住宅借入金等特別控除」ですが、一般的には住宅ローン控除や住宅ローン減税と呼ばれています。

住宅ローン控除の主な適用条件および住宅の種類によるローンの借入限度額は、以下のとおりです。

  • 自身が入居する住宅である
  • 控除を受ける本人の合計所得金額が2,000万円以下
  • ローンの借入期間が10年以上
  • 原則、床面積50㎡以上
  • 引き渡しから6ヶ月以内に入居する
  • 現行の耐震基準に適合している など

条件に適合する住宅の場合、「年末の住宅ローン残高×0.7%」の金額が最大13年間所得税から減額されます。

住宅ローン控除では、住宅の性能・種類によって借入限度額や最大控除額などが異なり、2025年入居の新築住宅における詳細は以下のとおりです。

住宅の種類 借入限度額 借入限度額
(子育て世帯・若者夫婦世帯)
年間最大控除額 年間最大控除額
(子育て世帯・若者夫婦世帯)
控除期間
長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円 5,000万円 31.5万円 35万円 13年
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,500万円 24.5万円 31.5万円
省エネ基準適合住宅 3,000万円 4,000万円 21万円 28万円
その他の住宅

()内は2023年末までに新築の建築確認を受けた住宅の場合

0円
(2,000万円)
0円
(2,000万円)
0円
(14万円)
0円
(14万円)
なし
(10年)

2024年以降、省エネ性能をもたない「その他の住宅」では、住宅ローン控除を受けられなくなっています。ただし、2023年までに新築の建築確認を受けた住宅においては、借入限度額2,000万円、控除期間10年が適用されます。

対象となる住宅の種類

2025年以降も住宅ローン控除の対象となる主な住宅の種類は、以下のとおりです。

  • 認定長期優良住宅
  • 認定低炭素住宅
  • ZEH水準省エネ住宅
  • 省エネ基準適合住宅

それぞれの住宅の特徴を解説します。

認定長期優良住宅

認定長期優良住宅は、長期間にわたって住み続けられる耐久性能を備えた優良住宅です。

長期優良住宅に認定されるには、省エネルギー性や耐震性、劣化対策、維持管理のしやすさなどの条件を満たす必要があります。細かな要件が定められているものの、長く快適に暮らせるためメリットの多い仕様といえるでしょう。

認定低炭素住宅

認定低炭素住宅は、二酸化炭素(CO2)の排出を抑えられる設備や省エネ性能などを導入した環境にやさしい住宅です。

省エネ性能の高さでは認定長期優良住宅とも似ていますが、認定長期優良住宅が耐久性・耐震性なども備えているのに対して、認定低炭素住宅の場合は、省エネ・二酸化炭素の排出削減などエコロジー面に特化しています。

ZEH水準省エネ住宅

ZEHとは「Net Zero Energy House:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、太陽光発電などの設備を備え、自宅でつくり出すエネルギー消費量を相殺できる高い省エネ性能の住宅です。

詳しくはこちら
【第142回】未来を見据えた暮らし!ZEH(ゼッチ)の魅力とは?

ZEH水準省エネ住宅と認められるには、断熱等性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級6以上の条件を満たす必要があります。なお、ZEH水準省エネ住宅には再生可能エネルギー(太陽光発電など)の導入は必須ではありません。断熱性・気密性が高く、光熱費などコストを抑えられるのがメリットです。

省エネ基準適合住宅

日本住宅性能表示基準(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に定められた以下の省エネ基準である「断熱等性能」および「一次エネルギー消費量」が、ともに等級4以上の条件を満たす住宅を省エネ基準適合住宅といいます。

一般的な住宅と比較して気密性・断熱性が高く、エネルギー消費量も抑えられるのが特徴です。2025年4月以降、すべての新築住宅に対して省エネ基準への適合が義務付けられ、条件を満たさない家は建てられなくなります。

2025年住宅ローン控除を含む税制の変更点

2025年に住宅ローン控除を利用する場合は、2024年に実施された制度改正の延長として、以下の変更点を押さえておく必要があります。

  • 変更①住宅ローン控除(住宅ローン減税)
  • 変更②住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
  • 変更③既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置

それぞれの詳しい変更内容をみていきましょう。

変更①住宅ローン控除(住宅ローン減税)

住宅ローン控除では、2024年から住宅の種類による借入限度額が以下のように変更しており、2025年も継続して維持されます。

住宅の種類 借入限度額
2023年まで
借入限度額
2024年
借入限度額
2024年
(子育て世帯・若者夫婦世帯)
借入限度額
2025年
借入限度額
2025年
(子育て世帯・若者夫婦世帯)
長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 4,500万円 5,000万円 4,500万円 5,000万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円 4,500万円 3,500万円 4,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円 4,000万円 3,000万円 4,000万円
その他の住宅

()内は2023年末までに新築の建築確認を受けた住宅の場合

3,000万円 0円
(2,000万円)
0円
(2,000万円)
0円
(2,000万円)
0円
(2,000万円)

2024年入居分から借入限度額が下げられ、省エネ等の基準を満たさない住宅では基本的に減税を適用できなくなりました。住宅の種類による借入限度額の上限は、2025年以降も大きな変更はありません。

子育て世帯・若者夫婦世帯向けの借入限度額上限優遇に関しては2024年と同様に引き続き継続しており、2025年入居の場合も利用可能です。

また、新築住宅の床面積要件を合計所得金額1,000 万円以下の場合に限り、40 ㎡以上に緩和する措置の期限を2024年末まで延長していましたが、2025年も継続して延長されています。

変更②住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置は、受贈の適用期限が延長されており、2025年も継続して利用できます。「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」とは、親などから資金援助を受けて家を建てる際に良質な住宅では1,000万円、一般的な住宅では500万円まで贈与税が非課税となる制度です。適用期限は2024年から2026年までの3年間延長されており、2025年も昨年までと同様に期間内となっています。

ただし、2025年から非課税限度額が上限1,000万円となる「良質な住宅」を満たすため、新築住宅では「ZEH水準」が上乗せ要件とされる点には注意が必要です。2025年に新しく家を建てる場合は、ZEH住宅の基準に適合していないと上限500万円までしか非課税措置を受けられなくなります。

変更③既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置

既存住宅のリフォームに係る所得税の特例措置に関しても、2024年に続き2025年まで2年間の延長措置がとられます。既存住宅のリフォームに係る特例措置は、現在の住宅に耐震やバリアフリー、省エネなどを目的としたリフォームを実施する際、工事費用の10%が所得税から控除される制度です。「リフォーム減税」とも呼ばれており、2024年1月1日〜2025年12月31日まで適用期限の延長が決まって2025年も適用対象になります。

また、子育て世帯や若者夫婦世帯への支援を目的に2024年から新設された、子育て世帯に対応した住宅リフォームへの特例措置も同様です。子育て世帯が転落防止手すりや間仕切りの設置、対面式キッチンへの交換など、子育てに対応した住宅へのリフォームを行う場合に同じく工事費用の10%が所得税から控除される制度です。ほかのリフォーム減税と同じく期限延長に追加されているため、2025年まで利用できます。

併用可能な補助金制度

住宅ローン控除と併用可能な補助金制度の一例として「子育てグリーン住宅支援事業」が挙げられます。

子育てグリーン住宅支援事業とは、2050年のカーボンニュートラル社会実現に向けて、物価上昇などの影響を受けやすい子育て世帯などを対象に、ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅の導入や、新築住宅のZEH基準水準の省エネルギー性能確保の義務化など、裾野の広い支援を行うために設けられた事業です。新築住宅や既存住宅のリフォームを対象として、省エネ性能の高い住宅や長期優良住宅、ZEH水準住宅などを建てる際に1戸あたり40万円〜最大160万円の補助金を受け取れます。

詳しくはこちら
【第149回】【2025年3月開始!】子育てグリーン住宅支援事業とは?事業内容やポイントを解説

主な対象は子育て世帯ですが、ほかの世帯でも適用基準を満たしていれば補助金の受け取りが可能です。新築住宅を検討している場合は、ほかの制度も含めて補助金の利用対象になっていないかを一度調べてみると良いでしょう。

住宅ローン控除利用時の注意点

住宅ローン控除を利用する際の主な注意点は、以下のとおりです。

  • 確定申告・年末調整を行う必要がある
  • 2026年以降は利用できない可能性がある
  • 控除額上限まで還付されるとは限らない

住宅ローン控除を受ける際に注意すべきポイントを詳しく解説します。

確定申告・年末調整を行う必要がある

住宅ローン控除を受けるには適用条件を満たすだけでなく、確定申告や年末調整の手続きが必要です。

住宅ローン控除では、1年目と2年目以降で手続きが異なるため注意してください。最初の年(入居した年の翌年)には確定申告を行わなければ還付申告ができず、控除を受けられません。会社員などの場合、2年目以降は勤務先に年末調整を提出するだけで控除を受けられるようになります。

2026年以降は利用できない可能性がある

現行の住宅ローン控除は適用期限が2025年までとなっており、制度の延長がなければ2026年以降は控除を受けられなくなります。住宅ローン控除は、過去にも延長が実施されてきたため、今後継続する可能性もあるでしょう。

しかし、借入限度額の縮小など制度が変更される場合もあるため、検討されている方は早めの利用が望ましいといえます。

控除額上限まで還付されるとは限らない

住宅ローン控除では、必ずしも全員が上限額まで控除を受けられるわけではありません。控除額は残りの住宅ローン金額によって決まるため、返済が進んだ場合や最初から借入額が少ない場合、減税額が大きくて控除しきれない場合などは還付額が減少するケースもあります。

住宅ローン控除を利用する際は借入額や返済計画をもとに、いくらぐらいの還付を受けられるかをあらかじめ調べておくと良いでしょう。

まとめ

購入時の負担を減らしてマイホームを実現しよう

住宅ローン控除は、費用負担を減らしながらマイホームを実現できる魅力的な制度です。しかし、適用するには条件を満たす必要があり、借入限度額など細かな部分も毎年変更になる可能性があります。また、住宅ローン控除は将来も利用できるとは限らないため、マイホームを検討されている方は早めの活用が望ましいでしょう。

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監修・情報提供:馬場 愛梨(2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級))
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