【第148回】GX志向型住宅とは?概要や条件、適用可能な補助金制度について紹介
2025.02.25
近年、注目を集めているのが「GX志向型住宅」です。環境に配慮しながら快適な暮らしを実現できるGX志向型住宅は、マイホームの建築を検討中の方にとって魅力的な環境配慮型住宅といえます。
政府の補助金制度を受けられることで、予算面でGX志向型住宅を諦めていた方も理想の住まいづくりに一歩近づけるかもしれません。
本記事では、GX志向型住宅の特徴や要件、活用できる補助金制度について解説します。環境にも家計にもやさしい住まいづくりの新たな選択肢として、ぜひ参考にしてください。

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GX志向型住宅とは

GX志向型住宅とは、国土交通省と環境省が推進する「子育てグリーン住宅支援事業」の要件をクリアする住宅です。GX志向型住宅の特徴は、高い断熱性能を有し、省エネ設備や創エネ設備を備えていることです。以下では、GX志向型住宅の条件とほかの住宅との違いを解説します。
GX志向型住宅の条件
GX志向型住宅として認定されるためには、以下の4つの重要な要件を満たす必要があります。
- 断熱等性能等級6以上
- 省エネ要件:再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%以上
- 創エネ要件:再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上
- 高度エネルギーマネジメント(HEMS)の導入(※)
※高度エネルギーマネジメント(HEMS)の導入の詳細は検討中となっております。(2025年2月20日現在)
3つの要件は、カーボンニュートラル社会の実現という目的を持っています。カーボンニュートラル社会とは、二酸化炭素の排出量と吸収量のバランスをとり、実質的な排出量をゼロにする社会のことです。
なお、創エネ要件については、地域特性に応じた緩和措置が設けられています。例えば、都市部の狭小地では太陽光発電設備の設置が不要となる、寒冷地では削減率75%以上で基準を満たすとされるなど、柔軟な対応が可能です。
ほかの住宅との違い
GX志向型住宅は、従来の環境配慮型住宅の基準を一段と高めた住まいと位置づけられています。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準住宅の断熱等性能等級は「5以上」ですが、GX志向型住宅では「6以上」へと引き上げられています。また、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率が、ZEH水準住宅では「20%以上」であったのに対し、GX志向型住宅では「35%以上」となりました。
環境配慮型住宅には長期優良住宅もあります。長期優良住宅は、長期にわたって良好な状態で使用できる住宅として、所管行政庁から認定されたものです。長期優良住宅の断熱等性能等級は、ZEHと同じく「5以上」が求められます。ほかにも、長期優良住宅には耐震性(耐震等級3など)や、一次エネルギー消費量等級「6以上」という要件もあります。
GX志向型住宅のメリット

GX志向型住宅には、家計や環境にかかわる多くのメリットがあります。光熱費の大幅な削減から、環境負荷の低減、快適な室内環境の実現、将来的な資産価値の向上まで、以下でGX志向型住宅のメリットを解説します。
光熱費の節約になる
GX志向型住宅を建築すると、固定費として家計の負担となる光熱費を長期的に節約することが可能です。
GX志向型住宅は、高い断熱性能により外気温の影響を受けにくく、室温を効率的に維持できる特徴があります。冷暖房の使用頻度が抑えられる結果、エネルギー消費量の大幅な削減が可能です。
また、創エネ設備や省エネ設備の導入も光熱費の節約につながります。
環境にやさしい
GX志向型住宅は2050年カーボンニュートラル実現に向けた、住宅分野における取り組みの一つとして位置づけられています。
例えば、太陽光発電システムによる創エネ機能と蓄電池を組み合わせて活用すると、化石燃料への依存度を下げられ、快適な暮らしを維持しながら二酸化炭素排出量の大幅な削減が可能です。
快適な住環境を実現できる
優れた断熱性能により、年間を通して安定した室温を保てる点もGX志向型住宅の特長です。夏場には熱中症になるリスクを軽減し、冬場には部屋間の温度差によるヒートショックを防ぎやすくなります。
また、断熱性能の向上は防音効果の向上にもつながります。高性能断熱サッシや複層ガラスの採用により、道路の交通音や近隣の生活音などを大幅に軽減できるためです。
温度と静けさの両面から心地よい室内環境を実現できると、長期的に家族の健康を支えられるでしょう。
資産価値の向上につながる
GX志向型住宅は、将来的な資産価値の維持が期待できます。省エネ性能に優れた住宅は、長期にわたって快適な居住環境を提供できるため、中古住宅市場でも一定の評価を得やすい傾向にあります。また、環境配慮型住宅への社会的な関心の高まりも、資産価値の向上が見込まれる理由の一つです。
将来の売却時にも、標準的な住宅と比べて有利な条件での取引が期待できる可能性があるでしょう。
GX志向型住宅のデメリット

GX志向型住宅には検討すべき課題もあります。高額になりやすい建築コストや土地の条件によって建築できない可能性があること、設備機器の定期的なメンテナンスが必要になることなど、前もって考慮しておきたいポイントを以下で解説します。
建築コストが高くなりやすい
GX志向型住宅は、高性能な断熱材の使用や太陽光発電システムなどの設備導入により、一般的な住宅と比べて建築コストが高くなる傾向があります。自己資金の額によっては住宅ローンの借入額が増加し、諸費用も大きくなりがちです。
ただし、月々の支出を抑えられるGX志向型住宅は、長期的な視点で見るとトータルコストを抑えられる可能性があります。
立地によっては対象とならない可能性がある
国土交通省の「子育てグリーン住宅支援事業の概要」によると、以下の立地条件に該当する場合、GX志向型住宅の支援対象外となる可能性があります。
- 「土砂災害特別警戒区域」に立地する住宅
- 「災害危険区域」に立地する住宅
- 「立地適正化計画区域内の居住誘導区域外」かつ「災害レッドゾーン内」で建設されたもののうち、自治体からの建築自粛要請に従わずに建設された住宅(開発規模1,000㎡超の場合)
- 「市街化調整区域」かつ「土砂災害警戒区域または浸水想定区域」に該当する区域に立地する住宅
対象外となる立地に該当していないか、事前の確認が大切です。
定期的なメンテナンスが必要
GX志向型住宅を建築すると、定期的なメンテナンス費用が発生します。GX志向型住宅の建築には、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備の導入が原則必須です。設備を長期にわたって効率的に運用するためには、定期的な点検や清掃、部品交換などのメンテナンスが欠かせません。
建築コストだけではなく、設備の維持管理にかかる費用についても長期的な計画を立てておきましょう。
GX志向型住宅が受けられる補助金制度

GX志向型住宅は建築コストが高額になる傾向があるため、家づくりを始めるにあたって不安に感じ、なかなか決断できないこともあるでしょう。以下では、理想の住まいづくりを実現するために活用できる補助金制度について、詳細を解説します。
対象となる制度
子育てグリーン住宅支援事業の目的は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、高性能な住宅の新築や既存住宅の改修を支援することです。
子育てグリーン住宅事業について、新築時の住宅のタイプ別に対象となる世帯や補助金額を以下にまとめました。
住宅のタイプ | 対象世帯 | 補助金額 |
---|---|---|
GX志向型住宅 | すべての世帯 | 160万円/戸 |
ZEH水準住宅 | 子育て世帯等 | ・建替前住宅等の除却あり:60万円/戸 ・上記以外:40万円/戸 |
長期優良住宅 | 子育て世帯等 | ・建替前住宅等の除却あり:100万円/戸 ・上記以外:80万円/戸 |
適用条件
子育てグリーン住宅支援事業の適用条件は以下のとおりです。
- 2024年11月22日以降に、基礎工事より後の工程の工事に着手していること(改修の場合は、リフォーム工事に着手したものに限る)
- 住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下であること(新築時のみ)
- 建築業者が交付申請までに事業者登録していること
まとめ
補助金制度を活用してGX志向型住宅を実現しよう

GX志向型住宅は、環境に配慮しつつ健康で快適な暮らしを叶える住宅です。補助金制度の活用も検討しつつ、GX志向型住宅の建築を実現しましょう。
「家サイト」では、住宅補助金制度をはじめとする家づくりに役立つ情報を収集できます。住宅展示場を見学予約すると、待ち時間なしでモデルハウスを見学でき、資金計画などについても専門スタッフに相談できます。
GX志向型住宅が受けられる補助金制度を活用したいと考えている方は、ぜひ「家サイト」の住宅展示場のモデルハウスでご相談ください。
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監修・情報提供:馬場 愛梨(2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級))
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