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【第147回】家の性能って何?基準となる数値や家づくりに重要なポイントを解説

マイホームの購入を検討する際、間取りやデザインに注目しがちですが、「家の性能」こそが快適な暮らしを左右する重要な要素です。例えば、冬の寒い日に外から帰ってきたとき、すぐに暖かさを感じられる家と、いつまでも寒さが残る家では生活の質が大きく変わってきます。しかし、「家の性能とは具体的に何を指すのか」「どの程度の性能が必要なのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、これから家づくりを始める方に向けて、家の性能を示す代表的な数値や重要なポイントを、わかりやすく解説していきます。


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家の性能のポイント

住まいの快適性・安全性、資産価値を左右する重要な要素が家の性能です。ここでは、家づくりで特に重視すべき8つの性能を詳しく解説します。

断熱性

断熱性とは、熱が伝導することを妨げる性能のことです。外気温の影響を受けにくくすることで、室内の温度を安定させる重要な役割があります。

断熱性を左右する要素は、断熱材の種類や厚み、施工方法などです。高い断熱性能を確保することで、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境を実現でき、冷暖房の効率も上がるため、省エネと光熱費の削減につながります。

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【第144回】断熱等級とは?等級の違いや高断熱の住宅を建てるポイントを解説

気密性

気密性とは、建物の隙間をできるだけ少なくして空気の出入りを抑える性能です。高い気密性は、断熱性能を十分に発揮させるために欠かせません。隙間風を防いで室内温度を安定させる効果があり、結露の防止にも効果的です。

また、外部からの粉じんや花粉の侵入も防ぎ、室内の空気環境の向上にもつながります。換気システムと組み合わせることで、建物の耐久性も向上するでしょう。

耐震性

耐震性とは、地震の揺れに対する建物の強さを表す性能です。下記の3つの構造があり、それぞれ違う方法で地震に対応します。

  • 耐震構造
  • 制振構造
  • 免震構造

耐震構造は建物自体を強くし、制振構造は揺れを吸収、免震構造は揺れを避ける仕組みです。高い耐震性により、大地震の際の建物の損傷を最小限に抑え、家族の安全を守ります。

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【第124回】新築で地震や災害に強い家を建てるために必要なこととは?既存住宅の耐震改修についても解説

耐久性

耐久性とは、建物が長期にわたって性能を維持できる能力のことです。基礎、柱、梁などの構造躯体の品質に加え、防水性能や部材の劣化対策も重要です。

高い耐久性があれば建物の寿命が延び、メンテナンス費用を抑えられます。また、資産価値の維持にもつながり、将来的な売却や相続を考える上でも大切な要素となります。

省エネ性

省エネ性とはエネルギー消費を抑える性能です。断熱性や気密性と密接に関係し、適切な換気システムと組み合わせることで、光熱費の削減につながります。

太陽光や風などの自然エネルギーを活用したパッシブデザインも重要で、夏は日射を遮り、冬は取り入れる工夫をすると良いでしょう。環境負荷の低減にもつながり、持続可能な暮らしを実現します。

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防火性

防火性とは、火災に対する建物の抵抗力を表す性能です。外壁や屋根などの主要な部分に防火材料を使用することで、火災の延焼を防ぎ、避難時間を確保できます。

建築基準法では建物の規模や用途、地域によって必要な防火性能が定められており、特に都市部など建物が密集している地域では、近隣への延焼防止の観点からも重要です。

防犯性

防犯性とは、空き巣などの犯罪から家族と財産を守るための性能です。日本の空き巣被害の多くは窓のガラス割りやこじ開けによって侵入するため、防犯ガラスの設置が効果的です。

また、下記の設備を組み合わせることで、犯罪のリスクを大きく減らせます。

  • ピッキングに強い玄関錠
  • センサーライト
  • 防犯カメラ など

防犯対策をしっかり行うことで、安心して暮らせる住まいを実現できます。

快適性

快適性とは、家族が気持ちよく過ごせる住まいの性能です。温度や湿度が適切に保たれ、空気がきれいで明るく静かな環境を指します。

24時間換気システムで室内の空気を清潔に保ち、断熱性能を高めることで夏は涼しく冬は暖かい住環境を実現できます。間取りや収納の使いやすさも、快適性に影響するポイントです。

家の性能を示す代表的な数値

住宅の性能には、具体的な基準となる数値があります。ここでは、家づくりで特に重要となる4つの指標を紹介します。

C値

C値は家の気密性を表す数値です。C値は「1㎡あたりにどれくらいの隙間があるか」を表しており、この値が小さいほど隙間が少ない、つまり気密性の高い家といえます。C値を求める計算式は、下記のとおりです。

住宅全体の隙間合計面積(㎠)÷ 延床面積(㎡)=C値

一般的な住宅では0.36以下が推奨され、この値を下回るほど高性能な住宅といえます。

UA値

UA値は家の断熱性能を表す数値です。壁や床、屋根、窓などから外に逃げていく熱の量を示しており、この値が小さいほど高断熱の家といえます。UAの計算式は以下のとおりです。

建物から逃げる熱量(W/K)÷ 外皮表面積(㎡)=UA値

例えばUA値が0.87の家と0.46の家では、0.46の家の方が熱を逃がしにくく、暖房や冷房の効きが約2倍良くなります。UA値が極力0に近い家ほど室内の温度を快適に保ちやすく、光熱費も抑えられる高性能な住宅です。
2025年からは、0.87が最低基準として定められるので、新たに住宅を建築する際は0.87以下をクリアしないといけません。

G1、G2、G3基準

G1、G2、G3は、家の断熱性能をわかりやすく表した等級のようなものです。数字が大きくなるほど断熱性能が高くなり、人が健康かつ快適に過ごせる室内温度環境であることを表します。

住む地域の気候によって必要な性能は異なるのが特徴です。快適な暮らしと省エネを両立できるバランスの良い性能レベルということから、多くの場合はG2基準が推奨されています。

耐震等級

耐震等級は、家の地震に対する強さを表す指標です。等級1から等級3までの3段階があり、数字が大きいほど地震に強い家となります。

等級1は建築基準法で定められた最低限の基準で、震度6強〜7の地震で倒壊しない程度の強さです。一方、等級3は等級1の1.5倍の強さがあり、最も高い耐震性能を備えています。安心して暮らすためには、耐震等級3の家がおすすめです。

家の性能を重視するメリット

家の性能のポイントに優れた高性能住宅には、快適な暮らしを実現するだけでなく、経済的なメリットもあります。ここでは、家の性能を重視することで得られる具体的なメリットを見ていきましょう。

快適な室内空間を実現できる

高性能な住宅では、断熱性と気密性の高さにより、年間を通して室内温度を快適に保つことができます。外気温の影響を受けにくいため、夏は涼しく冬は暖かい環境を維持でき、1階と2階、リビングと寝室といった部屋間の温度差も最小限に抑えられます。快適な住空間で、家族全員がストレスなく過ごせるでしょう。

光熱費の節約になる

高性能住宅では、優れた断熱性と気密性により室内の温度変化が少ないため、冷暖房の使用頻度を大幅に抑えられます。一般的な住宅と比べて、年間の光熱費を30~40%程度削減することも可能です。

また、太陽光発電システムなどと組み合わせると、さらなる省エネ効果も期待できます。

健康被害の予防につながる

高性能住宅では室内温度が安定しているため、急激な温度変化による健康被害を予防できます。特に浴室とリビングなど、部屋間の温度差によって起こるヒートショックのリスクを大きく軽減できます。高い気密性により外部からのPM2.5や花粉などの侵入を防ぎ、アレルギー症状の緩和にも効果的です。

災害に強い家になる

高い耐震性を備えた住宅では、地震による被害を最小限に抑えられます。耐震等級3相当の性能があれば、大地震が発生しても建物の倒壊を防ぎ、家族の安全確保が可能です。災害発生時も住み続けられる可能性が高く、避難所での生活を強いられるリスクを減らせます。

まとめ

家の性能にこだわった注文住宅づくりがおすすめ

家の性能は、快適で安全な暮らしを実現する上で欠かせない要素です。高性能住宅は初期費用が高くなる傾向にありますが、光熱費の削減や健康面でのメリット、災害への備えを考えると、長期的には大きな価値があります。

家サイトでは、全国の住宅展示場から気に入った会場を選んで見学予約が行えます。まずは展示場にお越しいただき、実際に高性能住宅の快適さを体感してみましょう。高性能なマイホームを実現したいとお考えの方は、ぜひ住宅展示場へ足を運び、家づくりにお役立てください。

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監修・情報提供:福本 剛志 (設計事務所 アクア株式会社/二級建築士)
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本記事はTrail(株)が記事提供しています。
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