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【第140回】【年収600万円】住宅ローン借入額の目安は?借入限度額や借入時のコツを紹介

マイホームを建てる際は、住宅ローンを利用するのが一般的です。用意できる資金額によって建てられる住宅の大きさや品質が変わってくるため、事前におおよその借入可能額がわかれば、マイホーム計画を立てやすくなります。

本記事では、年収600万円の人が住宅ローンを組む場合の借入可能額や、頭金の目安、借入額を決める際のポイントについて解説します。実際に組める住宅ローンのシミュレーションも紹介しますので、家づくりを検討している方はぜひ参考にしてください。



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年収600万円が借入可能な住宅ローン

まずは、年収600万円の人が住宅ローンを利用する場合の借入上限額や、適切な借入額の目安について解説します。住宅ローンを利用する際、多く借りられるほど住宅資金を確保できますが、返済のことも考えなくてはなりません。年収600万円の場合、どのくらいの金額を借りられるのか、いくらくらいの借入額であれば無理なく返していけるのかを把握しておきましょう。

借入上限額

借入上限額は金融機関によって異なるものの、年収600万円の場合は5,500万円程度が目安です。ただし、実際の借入上限額は、年収のほか物件の担保価値や頭金の額、金利などの諸条件によって変わってきます。

住宅ローンを多く借りればその分返済額も増えるため、毎月の家計に響いたり、返済期間が長くなったりします。借入上限額はあくまでも最大限に借りられる金額であり、実際にいくら借りるかは、返済能力や収入の変化などを考慮して決めることが大切です。

借入額の目安

年収600万円の場合、現実的な借入額は3,000万~4,800万円程度です。判断基準となるのは年収倍率で、住宅ローンの場合は年収の5〜8倍が一つの目安となります。実際に「2023年度 フラット35利用者調査」のデータによると、注文住宅融資利用者の年収倍率は、全国平均で7.0倍です。年収600万円に当てはめると、借入額の平均は4,200万円程度だといえるでしょう。

無理のない借入額

住宅ローンの借入額は、無理なく返済できる範囲に設定することが重要です。上限ギリギリまで借りてしまうと、月々の返済が負担になってしまうかもしれません。年収600万円の場合、無理なく返済できる借入金額は3,000万~3,500万円程度です。月々の返済額が9万~10万円程度に収まることを目安に考えましょう。

適切な借入額を見極めるには、年収倍率のほか収入に対する返済額の割合を示す返済負担率も指標となります。無理なく返済するための年収600万円の適切な返済負担率は、手取り年収の25%程度です。年間の返済額を120万円に収められれば、負担が少なく返済していけるでしょう。

無理なく返せる額以上の物件を購入する場合は、頭金を多く入れるなど調整が必要です。

準備する頭金の目安

住宅購入時に用意する頭金の額は、購入代金の10~20%程度が目安です。一例として、3,500万円程度の住宅を購入するのであれば、350万~700万円程度の頭金を準備しておくとよいでしょう。

2023年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅融資利用者が用意した資金のうち、手持金(頭金)が占める割合は全国平均で18.1%です。頭金の額が多ければ借入額を少なくすることができ、月々の家計にも余裕を持たせられます。

【借入期間別】年収600万円の住宅ローンシミュレーション

年収600万円の人が住宅ローンを借りるケースを想定し、具体的な返済額をシミュレーションでチェックしてみましょう。条件は次のとおりです。

  • 借入額:3,000万円
  • 固定金利:1.82%
  • 元利均等返済
  • ボーナスでの返済なし
借入期間 月々の返済額 総支払額 支払利息額
35年 9.7万円 4,059万円 1,059万円
30年 10.9万円 3,896万円 896万円
25年 12.5万円 3,737万円 737万円

※参照:【フラット35】ローンシミュレーション

このように、借入期間を長く設定すれば月々の返済額を抑えられますが、利息が増えるため総支払額が多くなります。無理なく返済していくには、月々の返済額と総支払額のバランスを取ることが大切です。

共働き夫婦が借入額を増やす方法

不動産の価格が上昇を続けている状況では、年収600万円の人が住宅ローンを組んだとしても、希望する物件を購入できない場合があります。一方で、共働きの夫婦であれば、世帯年収を上げることで借入額を増やすことが可能です。ここでは、共働き夫婦が借入額を増やす方法について解説します。

ペアローン

ペアローンとは、一つの購入物件に対して夫と妻がそれぞれローンを組み、計2本のローンで住宅購入資金をまかなう方法です。夫婦それぞれの収入に応じてローンを組めるため、借入総額を増やすことができます。借入条件をローンごとに選択できることや、それぞれ住宅ローン控除を受けられる点もメリットです。

一方で、ローンを組むのにかかる諸経費が2倍になる、原則として死別した際も存命のほうのローンは残るといったデメリットもあります。また、万が一離婚した際にもローンは残るため、返済を続けなければなりません。しかし、最近では、ペアローン団信もあり、この場合、ペアローン利用者のいずれか一方に万が一のことがあった場合に、お二人とも住宅ローンのお借入残高が0円(ご返済が不要)になります。

収入合算

収入合算とは、夫婦の収入を合算した金額でローンを組む方法です。連帯保証型の場合、夫が債務者となるケースでは、妻が連帯保証人になる必要があり、夫が返せなくなった場合は妻に返済の義務が発生します。連帯債務型では、夫が主債務者の場合は妻が連帯債務者となり、夫が返済できなくなったときに限らず夫婦それぞれに返済義務があります。

収入を合計することで借入額を増やせる一方で、連帯保証人(連帯債務者)は団信(団体信用生命保険)に加入できないケースが多く、住宅ローン控除を利用できない点には注意が必要です。万が一収入合算者が死亡した際は、返済が大きな負担になる可能性もあります。

住宅ローンの借入額を決めるときのポイント

住宅ローンの借入額は、毎月無理なく返済できる範囲に収めることが大切です。限度額ギリギリまで借入をすると家計を圧迫するだけでなく、イレギュラーな出来事で急な出費が発生した際に対応できなくなるかもしれません。ここでは、借入額を決めるときに押さえておきたい3つのポイントについて解説します。

支出額を細かく把握する

まずは、年間の支出額を詳細に把握しておきましょう。支出には、固定資産税や都市計画税、修繕費、管理費といった住宅にかかる費用のほか、自動車のローンや学生時代に借りた奨学金の返済なども含まれます。

支出額がわかれば月々の返済に充てられる金額も明らかになり、適切な借入総額や借入期間の設定ができるようになります。収入から支出分を差し引いて余った金額をすべて返済に充てるのではなく、ある程度の余裕を持たせておくようにしましょう。

将来のライフイベントを想定した返済計画を立てる

住宅ローンを組む際は、将来的なライフイベントを想定した返済計画を立てましょう。転勤や転職、産休・育休の取得、子どもの成長、進学などによって収入や支出が変化するためです。一時的に収入が減ったり支出が増えたりした場合、住宅ローンの返済が家計を圧迫しかねません。

住宅ローンは長い期間をかけて返済するものであり、その間に予想外の出来事が起こることもあります。収支や支出に変化があった際にも対応できるよう、月々の返済額を限界まで増やすのは避け、堅実な返済計画を立てることが大切です。

税制度を活用する

住宅ローン控除の制度を活用することで、住宅ローンの返済のハードルが下がり、借入しやすくなります。住宅ローン控除とは、毎年の住宅ローン残高のうち0.7%を最大13年間にわたり所得税から控除する制度です。控除を受けるには、住宅を購入した初年度は自分で確定申告をする必要があります。

ただし、住宅ローンを利用する全員が利用できるわけではなく、要件が定められています。まずは購入予定の住宅や年齢、所得などが要件に当てはまるか確認し、実際にどの程度負担が軽くなるのかを計算しておきましょう。

まとめ

無理のない返済で資金に余裕のある暮らしと快適な住宅を実現しよう

年収600万円の人が住宅ローンを利用する際は、借入額を3,000万~3,500万円程度に収めることが一つの目安となりますが、長期にわたる返済が必要なことを見据えて将来的なライフイベントなども考慮し、無理なく返済できる範囲で借入額を決めましょう。

参考

家サイトでは、全国各地にある住宅展示場の検索や見学の申し込みが可能です。住宅展示場では、実際のモデルハウスを見ながら住宅ローンに関する相談もできます。家族が笑顔になるマイホームづくりのために、ぜひお役立てください。

 

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監修・情報提供:馬場 愛莉(2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級))
Ⓒ2024 Trail.inc
本記事はTrail(株)が記事提供しています。
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