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【第137回】【年収500万円】住宅ローン借入額の目安とポイント

住宅ローンの借入可能額は、マイホームを夢見る方にとって大きな関心事の一つです。金融機関から借入できる額が分かれば、建てられるマイホームを具体的にイメージしやすくなり、適切な自己資金(頭金)の額も検討できます。

本記事では、年収500万円の場合の住宅ローン借入額の目安や、借入条件の決め方、借入上限ギリギリまで借りるリスクなどについて詳しく解説します。無理のない返済を実現するポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。



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年収500万円の住宅ローンの借入限度額

年収500万円の場合の住宅ローン借入限度額は、一般的に3,500万〜4,000万円程度が目安となります。

ただし、借入限度額の相場は金融機関によって異なり、実際は購入する物件の担保価値や用意できる自己資金(頭金)の額、適用される金利などの諸条件によっても左右されます。

返済能力や将来の収入見込みも考慮し、必要に応じてプロに相談しつつ無理のない借入額を設定しましょう。

借入額の目安

住宅ローンの借入額を決定する主な基準は、年収倍率と返済負担率です。一般的に、住宅ローンでは年収の5〜8倍が借入額の目安とされます。したがって、年収500万円の場合は、2,500万〜4,000万円が借入額の目安となります。

2022年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅融資利用者の年収倍率は全国平均で6.9倍です。この平均値を適用すると、年収500万円の場合は約3,450万円が借入額の一つの指標となります。

無理のない借入額

借入限度額がわかっても、上限ギリギリまでの借り入れが適切とは限りません。金融機関の借入限度額まで借り入れると返済が家計を圧迫し、突発的な出費に対応できないリスクがあります。

年収500万円の場合で計算すると、2,000万~2,700万円程度(月々の返済額で考えると6万~8万円程度)が、無理なく返済できる借入額の目安といえるでしょう。

【借入期間別】年収500万円の住宅ローンシミュレーション

ここでは、年収500万円の場合の住宅ローンシミュレーションを解説します。前提条件は以下のとおりです。

  • 借入額:2,600万円
  • 固定金利:1.54%
  • 元利均等返済
借入期間 月々の返済額 総支払額 支払利息
50年 6.3万円 3,730万円 1,130万円
35年 8.1万円 3,365万円 765万円
30年 9.1万円 3,249万円 649万円
25年 10.5万円 3,135万円 535万円

※参照:【フラット35】ローンシミュレーション

借入期間が長いほど月々の返済額にゆとりを持てますが、利息が増えるため総支払額が多くなります。一方、借入期間を短くすると、総支払額が少なくて済む反面、月々の返済額は2万円ほど増えます。

上記のシミュレーションは固定金利を前提としていますが、変動金利を選択する場合は、金利の変動リスクも考慮する必要があるでしょう。

借入額を増やすことは可能?

希望する借入額に届かなかった場合は、以下の方法で借入額を増やせる可能性があります。

  • 収入合算
  • ペアローン
  • 親子ローン

収入合算は、夫婦の一方や親などの親族が連帯保証人や連帯債務となり、自身と親族の収入を合算して借入可能額を審査する方法です。ペアローンでは、一つの物件に対して夫婦や親子がそれぞれ住宅ローンを組み、借入可能額を増やします。親子ローンは、親と子どもで一つの物件を購入し、二世代でローンを返済していく方法です。

それぞれ単独で住宅ローンを組むより借入額を増やすことは可能ですが、その分返済の負担が重くなる点には注意が必要です。収入合算の場合、連帯保証人や連帯債務となった夫婦の一方や親族が支払能力を失ったときには、主債務者が全額の返済責任を負います。ペアローンや親子ローンの場合も、相手の支払能力がなくなると、自身が全額の返済責任を負わなくてはいけません。

借入額を増やすかどうかは、将来の生活設計や資金計画を考慮して慎重に検討しましょう。

年収500万円で住宅ローンを借入上限ギリギリまで借りるリスク

以下では、借入上限ギリギリまで住宅ローンを借りるリスクについて、詳細に解説します。借入額を決める際は、住宅の維持費用や金利上昇のリスク、ライフステージの変化に伴う影響を意識しておきましょう。

住宅の維持にかかる継続的な出費

継続的にかかる出費を事前に把握して計画的に準備すると、将来の資金不足を防げます。住宅を所有すると、さまざまな維持費が月単位あるいは年単位で発生します。住宅の維持にかかる主な費用は以下のとおりです。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 火災保険料
  • 地震保険料
  • 修繕費
  • 管理費、修繕積立金(マンションの場合)

特に注意が必要なのは修繕費です。築年数が経つほど、修繕費が多くかかる傾向にあります。修繕費は住宅ローンとは別に必要になるため、長期的な資金計画に組み込んでおきましょう。

金利上昇による返済額の増加

変動金利を選択する場合は、金利上昇リスクを十分に認識しておくことが大切です。変動金利型の住宅ローンには、一般的に5年ルールと125%ルールがあります。5年ルールは、金利が変動しても、5年間は毎月の返済額が変わらないというものです。125%ルールは、6年目以降に返済額が見直される際も、当初の返済額の125%を超えて増額されることはないというものです。

しかし、これらのルールがあっても、長期的な金利上昇が起きると返済負担が増えるかもしれません。特に近年、日銀のマイナス金利政策の解除等で、徐々に金利が上昇基調にあります。金利上昇のシミュレーションを行い、将来の返済額の変動を予測しておきましょう。

参考:【第129回】【2024年4月版】マイナス金利解除で住宅ローンはどうなる?金利の影響と住宅購入のポイント

ライフステージの変化による収支の増減

人生のさまざまな段階において、収支状況は大きく変動する可能性があります。大きなライフイベントとしては、転職や出産、子どもの進学・独立などが挙げられます。家庭を築くと家族が増えるごとに必要なものも増え、特に子どもの教育費は長期にわたって大きな支出となるでしょう。

共働き家庭の場合は、出産や育児に伴う一時的な収入の減少も考慮する必要があります。ケガや病気による突発的な医療費の発生も考えられます。収支の増減に対応するには、住宅ローンの返済に充てる分とは別に、ある程度の金銭的余裕を残しておくべきです。

年収500万円の場合の住宅ローンを組む際のポイント

ここからは、年収500万円を前提として、住宅ローンを組む際に押さえておきたいポイントを解説します。無理のない返済のためには、十分な自己資金を用意し、返済負担率を適切に設定しましょう。また、あらゆるリスクを考慮した、長期的な視点での返済計画も重要です。

自己資金(頭金)を多めに出す

自己資金(頭金)を多めに準備することで、借入額を抑えられます。借入額が少なくなれば月々の返済額も少なくなるほか、金利が下がるなど、金融機関からより有利な条件を得られる可能性が高まります。

ただし、自己資金を過度に住宅購入に充てると、急な出費に対応しづらくなるかもしれません。長期的なライフプランを考慮したうえで、自己資金の額を決めましょう。

返済負担率を25%以内に抑える

返済負担率を25%以内に抑えると、無理のない返済計画を立てやすくなり、急な支出が必要な際にも対応しやすくなります。年収500万円の場合の手取りを400万円とすると、返済額は年間100万円以内に抑えるのが望ましいでしょう。

なお、返済額を計算する際の年収は、額面ではなく手取り年収での計算が賢明です。手取り年収は、税金や社会保険料を差し引いた後の実収入です。

無理のない返済計画を立てる

あらゆるリスクを考慮して、無理のない返済計画を立てましょう。前述のとおり、人生を長期的な視点で見ると、ライフステージごとにさまざまな支出が考えられます。また、現在の収入が将来にわたって継続的に得られる保証はありません。

支障のない範囲で自己資金を準備し、無理のない返済計画を立ててから借入額を決めましょう。

まとめ

リスクを考慮した返済計画を立てて住宅ローンを検討しよう

年収500万円の場合、2,000万~2,700万円程度の借入額であれば、住宅ローンを無理なく返済できる可能性が高いといえます。借入可能額の上限ギリギリまで借りると日常生活に支障が出たり、返済が困難になったりするリスクがあります。長期的な視点で無理のない返済計画を立てて、借入額を決めましょう。

参考:その他の年収区分に関する住宅ローンコラムは下記をご確認下さい。
【第114回】 あなたの年収ではいくらくらい?年収別に住宅ローンの目安・平均額をご紹介!
【第138回】【年収1000万円】住宅ローン借入額の目安とポイント

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監修・情報提供:馬場 愛莉(2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級))
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本記事はTrail(株)が記事提供しています。
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