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【第134回】つなぎ融資の基礎知識|メリット・デメリットや注意点をわかりやすく解説

新しく家を建てる際などに利用できるつなぎ融資を上手に使えば、自分の住みたい家を購入しやすくなります。しかし、住宅ローンとは別に借り入れることを不安に感じる方もいるかもしれません。そもそもつなぎ融資とはどういった制度なのか、よくわかっていない場合も多いのではないでしょうか。

本記事では、つなぎ融資の融資制度や利用の流れ、必要な諸費用などの基礎知識から、利用するメリット・デメリット、注意点まで解説します。新築住宅を建てたり、家を買い替えたりする際、つなぎ融資を利用すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。



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つなぎ融資とは

つなぎ融資とは、住宅ローンの融資が実行されるまでの期間、一時的に利用する融資のことです。はじめに、つなぎ融資の基礎的な仕組みについて解説していきます。

つなぎ融資の仕組み

住宅ローンの融資実行前に資金が必要となった際、一時的な立て替えを行ってくれるのがつなぎ融資の制度です。住宅ローンの借り入れができれば他の融資は必要ないと考える方が多いですが、住宅ローンは建物が完成しなければ融資が実行されません。

しかし、注文住宅などの建築から始める新築住宅では、完成前にも資金が必要になる場面があります。注文住宅を建てる場合、建物が完成して引き渡しとなる前に、土地購入費・着工金・中間金などと、3回程度の一時金支払いが発生します。

つなぎ融資を借り入れることができれば、自己資金に余裕がない方であっても希望する住宅の購入が可能です。つなぎ融資は「土地取得資金」や「建物建築資金」など用途に制限があるのが特徴で、住宅ローンとは別に契約が必要になります。

つなぎ融資の利用が必要になるケース

つなぎ融資を使う必要があるのは、主に以下の2つの場合です。

  • ・注文住宅を購入するときに自己資金が足りないケース
  • ・買い替えの際に、今の家の売却よりも購入を先に行うケース

住宅を建築する際には、完成までに着工金や中間金などを支払う必要があり、自己資金が手元にない場合や準備ができない場合は、つなぎ融資の利用を検討しましょう。また、現在の家を売却して新しく買い替える際は、家の売却と住み替え先の購入を同時に進めるのが一般的ですが、売却よりも購入を先に行う「買い先行」の際に、自己資金での購入が難しければつなぎ融資の利用をおすすめします。

住宅ローンとの違い

2つのローンの大きな違いは、融資が開始されるタイミングです。住宅ローンは家が完成した後、引き渡しを行いはじめて融資実行となるのに対し、つなぎ融資は完成前であっても利用できます。土地の購入や着工金支払いなどの用途に利用するのが一般的です。

つなぎ融資を利用する際の流れ

つなぎ融資を利用する際の主な流れは、以下のとおりです。

①資金計画を立てる

はじめにハウスメーカーや工務店などと相談して、家づくりにかかる資金計画を立てます。いくつかのプランや見積もりを比較・検討しながら、何の用途にいくらお金がかかるのか、必要な借入額はいくらなのかを明確にしましょう。

②つなぎ融資を取り扱う金融機関を探す

各金融機関の借入条件などを確認して利用先を決めます。金融機関によっては、つなぎ融資を取り扱っていない場合もあるため注意が必要です。

③住宅ローン・つなぎ融資の審査を受ける

借入先が決まったら、住宅ローンとつなぎ融資の両方の審査を申し込みます。事前審査・本審査と進み、審査が通れば契約を結びつなぎ融資の実行です。

④つなぎ融資で途中の支払いを賄う

融資された資金を利用し、住宅ローンが実行される前に必要な土地購入費や着工金の支払いに充てます。

⑤住宅ローンでつなぎ融資を返済

建物が完成して住宅ローンの融資が実行された段階で、借り入れた資金からつなぎ融資を返済します。

つなぎ融資利用時にかかる諸費用

つなぎ融資を利用する際に発生する諸費用は、主に以下のとおりです。

  • ・利息
  • ・事務手数料
  • ・印紙代

つなぎ融資の利息は2~4%程度で、住宅ローンよりも高い傾向にあります。事務手数料は金融機関によって異なるものの、10万円程度が相場です。

印紙代は、ローンの契約書を作成する際に印紙税を納めるための収入印紙を購入する費用です。必要な印紙代は借入額によって異なり、例えば800万円を借り入れた場合は1万円、2,000万円の場合は2万円と定められています。諸費用は自己資金で支払うか、融資に含めるかを選択可能です。

つなぎ融資を利用するメリット・デメリット

注文住宅の購入などに使えるつなぎ融資には、さまざまなメリット・デメリットがあります。借り入れを行う際はつなぎ融資の特徴を理解したうえで、融資を受けるべきかどうかを判断しなければなりません。以下では、つなぎ融資を使用するメリットとデメリットを解説します。

つなぎ融資のメリット

つなぎ融資のメリットは、主に以下の3つです。

  • ・手持ち資金がなくても注文住宅を建てられる
  • ・買い時を逃さず新居の購入が可能
  • ・売却活動を急がずに済む

それぞれについて詳しく解説します。

手持ち資金がなくても注文住宅を建てられる

完成した物件を購入するのとは違い、注文住宅を建てる際は住宅ローンの融資実行前から多くの費用が必要になります。自己資金としてある程度まとまった金額が必要ですが、つなぎ融資を利用すれば、自己資金は最小限に抑えることが可能です。自己資金がなくマイホームを諦めていた方でも、家づくりを実現できるでしょう。

買い時を逃さず新居の購入が可能

買い替えの場合、現在の住宅を売却して得たお金を購入資金に充てるケースが多い傾向にあります。しかし、自宅の売却先が決まらずに売却代金が確定できていないと、購入したい家が見つかったときに即決できません。希望の家を購入するか決断に悩んでしまい、他の検討者に買われてしまうなど「買い時」を逃してしまうかもしれません。

つなぎ融資を利用すれば不足資金を補えるため、売却先が決まっていない段階でも買いたい物件を購入でき、売却まで今の家での生活が可能です。

売却活動を急がずに済む

前述のとおり、住宅を買い替える場合は住み替え先の購入よりも現在の家を先行して売却するケースが多く、売却活動を短期間で行う傾向にあります。しかし、売却を急ぐと相場よりも金額が低くなってしまったり、売主に不利な条件になってしまったりと、納得のいく契約にならない可能性があります。

つなぎ融資を利用すれば時間に追われずに済み、余裕を持った期間で売却活動が可能です。

つなぎ融資のデメリット

つなぎ融資のデメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。

  • ・金利が高い
  • ・つなぎ融資の取り扱いがない金融機関がある
  • ・住宅ローン控除を利用できない
  • ・諸費用がかかる

それぞれについて、詳しく解説します。

金利が高い

無担保で借り入れができるつなぎ融資は、住宅ローンと比べると高めの金利設定です。住宅ローンが1%前後なのに対し、2~4%程度で設定されることが多い傾向にあります。融資期間も住宅ローンの融資実行までと短く、さらに元金は住宅ローンの融資実行時に清算されるものの、利息分については自己資金で返済を求められることもあります。

つなぎ融資の取り扱いがない金融機関がある

つなぎ融資は、住宅ローンとセットでの借り入れが一般的です。しかし、つなぎ融資を取り扱っている金融機関が限られているため、選択肢が限られる恐れがあります。事前に希望する金融機関で取り扱いがあるかどうかを確認しましょう。場合によっては、分割融資や先行融資など、別の制度を利用することになるかもしれません。

住宅ローン控除を利用できない

住宅ローンは、一定の条件を満たすと所得税などの税金の減額を受けられる住宅ローン控除の制度があるのに対して、つなぎ融資では控除を利用できません。住宅ローン控除を受けるには、物件を所有して返済期間10年以上などといった条件があります。住宅ローンと比べて、税制上のメリットが少ない点には注意が必要です。

諸費用がかかる

上で紹介したとおり、つなぎ融資利用時には住宅ローンにかかる費用とは別で諸費用がかかります。一時的な借り入れのため、数十万円となる諸費用を支払うのはもったいないと感じる方もいるでしょう。

金融機関によって異なるものの、つなぎ融資期間中に団体信用生命保険への加入が求められるケースもあり、その場合は保険料の支払いが必要になります。

つなぎ融資利用時の注意点

つなぎ融資は住宅購入におけるメリットが複数あるものの、さまざまなデメリットも存在します。金融機関ごとに限度額や回数制限が設けられているため、希望する支払い回数・上限額と合わない可能性もあるでしょう。

また、住宅の完成が遅れた場合は、融資の利用期間が延びて利息が増える点に注意が必要です。金融機関によって借入条件などの詳細が異なるため、前もって取り扱いのある金融機関の中で比較検討してください。

自分だけで判断するのではなく、専門家への事前相談がおすすめです。場合によっては、親族から一時的にお金を借りたり、生命保険の解約返戻金を利用したりするなど、つなぎ融資を利用しない選択肢を検討しましょう。

まとめ

つなぎ融資を活用するメリットや注意点を理解し、家づくりに役立てよう

住宅ローンの実行前につなぎ融資を利用すれば、手持ち資金がなくても購入が可能になり選択肢が広がるというメリットがあります。一方、金利が高く利用できる金融機関が限定されるといったデメリットもあるため、事前に条件を確認しましょう。つなぎ融資を利用することでどのような影響があるのかを把握しておけば、自分にとってベストな選択ができます。

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監修・情報提供:馬場 愛莉(2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級))
Ⓒ2024 Trail.inc
本記事はTrail(株)が記事提供しています。
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