【第128回】注文住宅を建てるならスマートハウスを!メリット・デメリットや設備の特徴をご紹介
2024.04.17
エコの観点から、「スマートハウス」に大きな注目が集まっています。スマートハウスに力を入れるハウスメーカーや工務店も年々増加しており、実際にHPで見たり、住宅展示場で聞いたりしたことがある方もいるのではないでしょうか。本記事では、スマートハウスの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。スマートハウスについて知りたい方や導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
<INDEX>
そもそもスマートハウスとは?
注文住宅を検討する際に注目を集めているキーワードの一つに「スマートハウス」というものがあります。この言葉は、単に技術的に進化した家という意味だけではありません。
スマートハウスとは、ITなど最新のテクノロジーの力を駆使した住宅のことで、大雨などの被害が増えている昨今において、ますます注目されているのです。
「名前は聞いたことがあるけど、どんな家なのかは知らない…」という人も多いのではないでしょうか。まずはスマートハウスの基本を抑えておきましょう。
スマートハウスは、IoT(アイオーティー)を駆使し、暮らしの快適さを追求しながら消費エネルギーの最適化を実現した住宅のことを指します。IoTは「Internet of Things」の略語で、モノのインターネットという意味です。たとえば、それぞれ専用のリモコンで操作するのが一般的だったエアコンやテレビに通信機能を持たせ、スマートフォンやタブレット端末から操作できるようにしたのがIoTという技術です。
家中まるごとIoT化したスマートハウスでは、エアコンやテレビなどの家電製品はもちろん、ドアロックや風呂の追い焚きなども端末から操作できます。
さらに、「HEMS(ヘムス)」というシステムを用いて家全体の消費エネルギーを管理し、ムダな光熱費を抑えてくれるのです。
スマートハウスと似ている言葉でスマートホームというものがあります。2つの言葉を混同している方も少なくありませんが、この2つの言葉の性質は大きく異なります。
まず、スマートハウスの特徴は、エネルギーの有効活用です。創エネ・蓄エネ・省エネの観点から、節約を重視した住宅を目指します。
一方で、スマートホームとは、スマートスピーカーによる家電の操作や、遠隔での防犯カメラの確認など、居住者がIoTを活用して便利で快適な暮らしを送っている状態を示す言葉です。
つまり、スマートハウスとスマートホームは、名前こそ似ているものの、その目的は全く違うところにあるのです。
スマートハウスに必要な3つの要素
前章で伝えましたが、スマートハウスには、創エネ・蓄エネ・省エネの次の3つの要素が必要です。
- ・創エネ:電気を自前で作り出す発電設備(太陽光発電システム、燃料電池など)
- ・蓄エネ:作り出した電気を貯めておける住宅用蓄電池
- ・省エネ:HEMS(ネットワークで一元管理できる家庭内エネルギー管理システム)
自宅で電気を作ることで、電力会社から電力を購入する必要がなくなる可能性が広がります。こうしたことから、「エコな暮らしができる家」「環境にもお財布にも優しい住宅」として注目を集めているのです。
スマートハウスのメリット
スマートハウスに暮らす最大のメリットは、電気料金を削減できる点にあります。注文住宅の建築時に、ソーラーパネルを設置することで住居内で電気を作ることができます。外部の電力会社から電気を供給してもらう必要がほぼなくなるため、毎月の出費を大きく抑えることにも繋がります。さらに、太陽光発電で余った電力は、電力会社に売却することもできます。家で使用するエネルギーより多くの電力を創出できれば、収入が支出を上回ることも期待できます。さらにHEMS設備があることで、エネルギーの見える化が可能になります。
HEMSについて
先ほど少し触れましたが、ネットワークで一元管理できる家庭内エネルギー管理システム をHEMSと言います。
電力会社から電気が供給される場合は、総量がわかっても、どの家電でどれくらいの電力を使用しているかは不明確です。しかし、HEMSでは、電力の使用を細分化し、把握することが可能です。そうすることで、電力使用量の多い家電の見直しを行い、エネルギー活用の最適化を目指せます。また、家電製品の自動制御ができる点も、スマートハウスの魅力と言えます。加えてHEMSでは、電力以外のエネルギーを最適化することも可能です。ガス・水道・電気自動車との連携もできるため、家庭の動力となるエネルギー情報の一元管理を実現します。エネルギー情報の一元管理は、災害時にも有効です。自家発電と家の中での蓄電ができるスマートハウスは、災害やトラブルにも強い住宅といえるでしょう。
実際、HEMS導入前後で比較して省エネ効果が得られたというデータもあります。
参考:株式会社住環境計画研究所
スマートハウスのデメリット
メリットの多いスマートハウスですがデメリットもあるので注意が必要です。
まず、太陽光発電を行うためのソーラーパネルは高額なもので、導入費用として数十万単位での投資が必要になります。さらに、ソーラーパネルは、定期的なメンテナンスをしないと品質が劣化し、寿命もあるため賢いエネルギー運用ができなければ、高額な投資を回収できません。
賢いエネルギー運用のカギとなるHEMSにも問題はあります。HEMSは認知度があまりなく普及率も低いため、信用性に欠ける部分があると言えるでしょう。また、普及率が低いため、HEMSの通信規格に対応している電化製品は、まだ決して多くはありません。立派なHEMSを導入しても、それに対応している電化製品がなければ、その設備を活用することはできません。スマートハウスでエネルギー運用の最適化を目指すのであれば、それにあった電化製品を購入する必要がありますので注意が必要です。
まとめ
自治体の補助金を活用してスマートハウスを建てよう
スマートハウスに興味があるものの、費用面が心配…。
そんな時は、国や自治体の補助金制度が利用できないか確かめてみると良いでしょう。助成が受けられれば、初期費用の負担はぐっと軽くなります。補助金の額や適用条件、申請期間などはそれぞれ異なります。地域によっては補助金制度がなかったり、募集期間が終了していたりするため、ハウスメーカーの担当者に相談すると良いでしょう。
まずは気軽に「家サイト」を活用して、家づくりについてハウスメーカーの相談や、スマートハウスの見学等、情報収集をしてみるのもおすすめです。さらに住宅展示場では、家づくりのご要望や予算から、最適な住宅会社を探すこともできます。
住宅展示場・モデルハウスの検索・予約はこちらから
監修・情報提供:福本 剛志 (設計事務所 アクア株式会社/二級建築士)
Ⓒ2024 Trail.inc
本記事はTrail(株)が記事提供しています。
本記事に掲載しているテキスト及び画像の無断転載を禁じます。