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【第16回】 親子の仲が良くなる!?「二世帯住宅」の建て方

2014年8月

親子の仲が良くなる!? 「二世帯住宅」の建て方

2015年の相続税改定に伴い、二世帯住宅が注目されています。光熱費の削減や、税制優遇といったメリットが多い反面、建て方、計画の進め方によっては失敗してしまうケースも散見されます。事前に注意しておく点や、「仲が良くなる二世帯住宅」の建て方をご説明いたします。

1. 親と子のライフスタイルの違いとは?

①子世帯は核家族化、親世帯は家の耐震化がポイント

 最近の子育て世代は核家族(夫婦と子供)が多くなっています。地価の高騰もあり、郊外の家を購入し、その結果、家事や子育てを支援してくれる身内が身近におらず、苦労されている方が多く見受けられます。逆に親世帯は、以前建築したマイホームの耐震化が急務になっています。特に昭和56年以前に建築した建物の場合は新耐震基準を満たしていない危険な状態なものが多く、行政でも耐震化に取り組んでいます。

②それぞれの世帯のニーズとは?

 実は、世代によってそれぞれに異なるライフスタイルのニーズがあります。まず子世帯のニーズについては、建築する土地の取得、子育ての支援、時間的な余裕、などが挙げられます。次に親世帯については、病気や災害時の援助、改築する動機や気力、日々の生活への活力、といったニーズがあります。

③そこで二世帯住宅にしたらどんないいことがあるの?

 子世帯にとっては、親御さんの土地に建築する場合は、建築費用のみで予算が立てやすくなります。同じ予算でも郊外での生活になるのか、慣れ親しんだ実家エリアで生活するのか、生活のしやすさが変わってきます。さらに、家事を両世帯で協力することで時間的な余裕が生まれ、仕事に打ち込むことが出来、結果として世帯年収が増えることが見込まれます。
 親世帯にとっては、耐震上不安な家を建て替えるだけでなく、将来の家の管理を任せることが出来ます。例えば電球の交換などの高所作業や、大雪時の雪かきなどの重労働の援助も受けられ、安心感が増加します。お孫さんとの生活は、毎日の生活に活気も生まれ、ハリが出るかと思います。
 
ではここで、二世帯住宅に求められる家の機能はなんでしょうか?

二世帯住宅 = 可変性 + 一貫性

 二世帯住宅に必要な家の機能として、まず可変性が挙げられます。孫の代まで住み続けられるような耐久性のある構造はもちろんですが、家の寿命を長いスパンで考えた場合、家族にはいくつかの転機があります。子供の独立や結婚、親の死別などの家族構成の変化、さらに仕事の都合による転居もあり得ます。これらの家族の変化を家としてどう対応できるかです。私の設計経験で言いますと、施主さんの子供が成人、独立して引っ越した後、空き部屋としてあるのに、親御さんは狭い寝室で寝起きをしている、といった家族構成の変化に対応できない住まいが、数多く存在していることです。将来の家族構成、子育てのステージごとによって家の間取りもリニューアルできることが二世帯住宅の場合は必要不可欠です。
 次に、一貫性についてご説明します。二世帯住宅で生活後に、子世帯が転勤で空き家になってしまうことはあり得ます。その場合に、親戚や仲の良い知人に賃貸し、その空いたスペースを活用し続けることで、家の存在価値が一貫して維持されます。間取り上どれだけの分離度を設定するかは、設計方針次第ですが、家の価値を存続させることは重要な機能のひとつです。

 では、技術的にどういったことに配慮して建築すべきか具体的に列挙します。

構造上の柱・梁、筋交いといった骨組みは極力建物外周部にレイアウトする
設備の配管も、極力外周部や階段といった間取り変更しない場所の近くに配管する。
各世帯のプライバシーの範囲を明確に分ける。

 ただ、今までの二世帯住宅の場合はこんな問題点がありました。
 気兼ねをするという点です。家を新築した場合、こだわりの住まいを友達に披露する機会が多くなりますが、互いの世帯に気兼ねして友達を招待するのを躊躇してしまいます。また、仕事をしている子世帯にとっては、深夜の帰宅などもあり得ます。その場合も気を使ってしまいます。実は、親世帯にとっても、気兼ねするのは同じです。孫の世話を押し付けられるのではないかという不安・不満を抱く親御さんは多く見受けられます。そんな不安を解消するためには、同居前に家族会議でお互いに生活のルールを話し合うことが重要になります。

2. 介護住宅、バリアフリー住宅で考慮すべき事とは?

 長いスパンで家族構成を考えた場合、老齢者と同居するケースが出てきます。あるアンケート結果によりますと、約7割の高齢者が今の住まいで生活し続けたいと考えているようです。では、長く快適に住み続けるための家の機能とはなにか? 下記にポイントをまとめました。

①手すりの設置や、段差の解消(ホームリフトなど)
②滑りの防止及び移動の円滑化
③引き戸等の扉を多用
④洋式便器など腰かけて対応出来る水廻り
⑤室温のバリアフリー:ヒートショック対策
⑥心理的なバリアフリー:外出しやすい、同居家族と疎遠にならない

が挙げられます。特にポイントは⑥です。縁側(ウッドデッキ)などからでも外出のしやすい寝室のレイアウトは精神衛生上、効果があるようです。

3. あなたの二世帯住宅がわかるタイプ別診断!

 二世帯住宅も、いくつかのタイプがあります。「同居型」「二世帯型」「シェアハウス型」「賃貸併用型」それぞれ図で確認しましょう。

【TYPE A】

 まず、TYPE A「同居型」です。
 サザエさん一家のような、一つ屋根の下に大家族で生活するようなスタイルです。
 家族会議の中で生活時間の違いを整理し、間取りに反映させることが成功の秘訣です。

【TYPE B】

 TYPE B「二世帯型」です。
 親世帯と子世帯に分かれて生活するスタイルです。
 家族内で優先順位をはっきりさせないと建坪が大きくなり、予算を超えてスペースだけ余らせてしまいがちです。

【TYPE C】

 こちらは、TYPE C「シェアハウス型」です。
 数多くの世帯がシェア(共同)しているという意味です。未婚の兄弟姉妹との同居は、可変性とプライバシーの確保がより重要になります。2Fへの移動が不安な場合は、家庭用エレベーターの設置や、上下の部屋の入れ替えで柔軟に対応すべきだと思います。

【TYPE D】

これは、TYPE D「賃貸併用型」です。
 各世帯の分離度をさらに高めていくと、アパートのような共同住宅になります。建設地が広く、便利な場所であれば家賃収入でローンの返済も出来るかもしれません。

参考事例を2つほど載せておきます。

【参考プラン1】

【参考プラン2】

 ここで、タイプ別「二世帯住宅」建て方診断フローチャートで診断してみましょう!
 TYPE A〜Dまで、どのタイプになるかゲーム感覚で試してみてください。

【タイプ別「二世帯住宅」の建て方診断フローチャート】

 結果はいかがでしたでしょうか?あくまで私の経験によるものなので、はっきりとした正解はありません。参考までによく言われていることで

娘夫婦同居はTYPE A
息子夫婦同居はTYPE B

がうまくいきやすいと言われています。このフローチャートをきっかけにご家族のコミュニケーションをより深めて、より良い二世帯住宅が建築できることを望んでおります。
 住宅展示場では、各ハウスメーカーの二世帯住宅がご覧いただけます。それぞれのご家庭に最適なプランをご相談してください。

監修・情報提供:金内浩之(一級建築士)
© 2014 Next Eyes.co.Ltd
本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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