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【第15回】賢いカラーコーディネート術でもっと快適カラフル生活

普段、何気なく暮らしている家の中を見回してみたとき、どんな色がありますか?意外と多くの色に囲まれていることにお気づきになるかもしれません。
 長い時間を過ごすリビングや自分の部屋は、居心地の良い空間にしたいものです。そこで上手に使いたいのが「色」。知らず知らずに受け取っている色のメッセージや色の効果は、私たちの心身に少なからず影響を及ぼしています。そこで今回は暮らしの中でお役立ちの色彩の取り入れ方についてお伝えします。

【1】色を上手に使うコーディネート術

 部屋の中の印象を左右するのが色づかいやその組み合わせ方です。色はとても大きな力を持ち、素敵な部屋を作るためには欠かせない要素です。何となく落ち着かない、まとまりを感じられない・・・そんな空間は、色をたくさん使いすぎている、色づかいがバラバラになってしまっている、見るポイントが定まらないなど、色づかいが原因になっていることも少なくありません。
 心地よい空間づくり、センスのいいお部屋づくりのために、カラーコーディネートの基本を知り、活用してみましょう。

1.【部屋ごとにテーマを考えてみる】

 お部屋のカラーコーディネートに求められるのは、安全で快適に過ごせる環境をつくることにあります。そのためにまず2つのポイントを押さえながらその部屋のテーマを考えましょう。

① 目的にあわせた色づかいであること

 たとえば、食事をとる部屋は美味しく楽しく食卓を囲めることが、その部屋の利用目的であり、寝室はゆったりと安らかな睡眠を得られる雰囲気を作ることが目的となります。部屋ごとにどのような色や配色が望ましいのかを、まず考えていくことが大切です。

② 使う人に合わせた色づかいであること

 その部屋を利用する人に合わせた色選びも考えていきます。まず、家の中を三つにブロック分けしてみましょう。
 玄関、廊下、リビングルームといったパブリックゾーンは、誰にとっても好まれるような色選びを意識していきます。パブリックゾーンは、家族以外のお客様も入ることも多く、たくさんの人が利用することが多い空間です。

 セミパブリックゾーンは、ダイニングやキッチン、バスルームなど家族が主に利用する場所です。家族全員が心地よく過ごせる空間として、その家族にとって心地の良い色を取り入れていきましょう。

 3つ目は子供部屋や寝室、勉強部屋や仕事部屋などのプライベートゾーン。誰が使うのかが限定されている部屋で、使う人自身の好みを反映することができる部屋です。

 それぞれの部屋の利用目的や利用者が決まったら、色選びについてさらに考えてみましょう。

図1

2.【色の配分を考えていく】

 色は使いたい色を使うだけではなく、その色の組み合わせと使用面積のバランスも、非常に大きなポイントとなります。

① その部屋のイメージを考える

 まず、その部屋のイメージをどのような空間にしたいのかを考えていきます。たとえば、ナチュラル、モダン、エレガント、シンプル、ぬくもりなど、その部屋に取り入れたい雰囲気やテイストを踏まえ、まとまりのある空間にしたいのか、コントラスト感のあるメリハリのある雰囲気にしたいのかを考えると、カラーコーディネートの方向性が絞りやすくなります。
 統一要素の多い類似色や同系色を用いた「まとまり」色のカラーコーディネートは、落ち着いた雰囲気が出ます。
 変化やきわだち感を求める場合は、アクセントとなる色を使ったり、対比性の強い配色を使うと、「メリハリ」があって、インパクトのある空間になります。

② メインカラーを考える

 部屋のイメージやテーマが決まったら、具体的な色を考えていきましょう。まず、メインとなる大きな面積を占める、カーテンやラグ、ソファーやチェストなどの大型の家具の色を決めていきます。メインカラーとなる色は、壁や床との調和がとれる色であることもポイントとなります。

③ セカンドカラーを考える

 次に小物やクッションなどの小さな面積で使用する色を考えていきます。メインカラーを引き立て、全体のイメージを引き締めるアクセントカラーとして用いたり、メインカラーとなじませて、まとまり感を出す色としても使うことができます。

④ 最後に全体の配色バランスを確認

 全体のカラー配分が決まったら、トータルにもう一度見て、バランスが取れているかをチェックします。そしてテーマやイメージに沿っているかも確認しましょう。
 だいたいのバランスですが、メインカラーが70%、セカンドカラーが25%くらいを目安にします。インパクトを作るアクセントカラーは全体の5%程度に用いると引き立ちます。

図2

【2】色の効果をさらに活かしてみる

 一言で「色」と言っても様々な色があり、それぞれの色は人の気持ちや行動に変化をもたらします。使う部屋の使用用途やそこを使う人に合わせた色選びをし、さらに快適な空間に仕上げましょう。

赤 赤のキーワード エネルギッシュ、活動的

 燃えたぎる炎や血を連想する赤は、興奮を促し行動力、活力アップにつながる色です。お部屋のアクセントカラーとして引き締めてくれる色でもあります。
 ポイントは、刺激の強い色なので、大きい面積での使用は避け、少量づかいが効果的です。

ブラウン ブラウンのキーワード 安定感、堅実

 木の幹や大地を連想させるブラウンは、暖かさを感じたり、落ち着いて過ごせるくつろぎの空間には欠かせない色でもあります。
 特に和室では多く取り入れられていますが、自然体で過ごしたい部屋や、ゆっくりと過ごしたい部屋に使うといいでしょう。

黄色 黄色のキーワード 希望、明るさ

 明るい光を連想させる黄色は、気持ちをハッピーにポジティブに導いてくれる色です。前向きな気持ちになりたいとき、明るい気持ちで過ごしたいときなどに使える色です。
 眩しい色なので、特にはっきりとした黄色は雑貨や小物などアクセント的に使うのがおすすめです。

緑色 緑のキーワード 安心感、リラックス

 平和や安心感を感じさせる緑色は、リラックスしたい空間、のんびりとくつろぎたい空間におススメの色です。自然の色が気持ちを穏やかにし、ゆったり疲れをいやしてくれる効果が期待できます。
 ゆっくり過ごしたいリビングやベッドルームなどにおススメです。

青 青のキーワード 静かさ、さわやか

 清潔感やクールさをイメージする青は、気持ちを落ち着けてくれる色。物事に集中して取り組む勉強部屋や仕事部屋などにも使えます。誘眠作用も期待できるので寝室に使ってみるのもいいでしょう。
 また体感温度を低く感じさせる青を、夏の暑い時期のカーテンなどに使うと、電気代節約も期待できるかもしれません。

ピンク ピンクのキーワード ロマンティック、かわいい

かわいらしさやキュートさの象徴でもあるピンク色は、心身をやわらかくほぐしてくれる色です。ピンク色の空間では、人は自然と気持ちがやさしくなっていきます。
美肌効果や若返り効果も期待できるので、ゆったりと過ごしたいバスルームや女性の寝室などに使ってみてはいかがでしょうか。

 色には様々な心理的効果、生理的効果があり、色づかいを変えると気分も行動も変わってしまうということが期待できます。
 ご自身のなりたいイメージや未来像、心地いい空間づくりに合わせて、テーマカラーとしてインテリアの色を変えてみるのもいいかもしれません。

 ご自身やご家族が快適で住みやすい空間づくりに、心強い味方として「色」をもっともっと積極的に活用していきましょう!

 

監修・情報提供:鶴巻亜記(カラーコンサルタント)
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本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
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