全国の総合住宅展示場からモデルハウスを探せる[家サイト]。お近くの住宅展示場で開催されるイベントや家づくりの耳寄りな情報をお届けします。

家づくり最新コラム

【第13回】 初めてでも失敗しない土地購入のポイント

2014年5月

太陽光を賢く利用!「スマートハウス」とは?

 そろそろマイホームを建てたいと思い始めた貴方、まず必要になるのが建物を建てる土地の確保ですね。実家の敷地の一部を借りたり、もともと相続した土地をお持ちの方もいらっしゃいますが、ほとんどの方はマイホームの為に土地購入からスタートです。「不動産」と言う名の通り、一度買ったら洋服や車のように簡単に着替えたり移動したりできるものではありませんし、高額なものですので安易に決めるのも危険です。しかし、「土地探し」を過度に難しく思う必要はありません。気を付けるポイントを抑えておく事で、希望するマイホームの舞台にふさわしい土地を取得する事ができます。

POINT 1 土地購入の為の資金計画

 土地取得の為の予算を考えるにあたっては、後になって肝心な目的である建物計画で頓挫、という事にならないよう、また、借入れの返済が負担にならないように、家族の生涯のライフプランをたててみましょう。

 土地の購入で何故ライフプランまで?と思われるかも知れませんね。
例えば、土地購入の為だけの住宅ローンというのはありませんので、取り敢えず土地を買うために貯蓄をはたいたとしましょう。その後、住宅建物の建設には住宅ローンを組んだとします。その先数十年の間には、家族の人生の過程で教育費がかさんだり、不測の出費もあるかも知れません。加えて住宅ローンの返済となると負担は大きくなり、貯蓄の備えも無いとなると結果的に生活の質が下がってしまいます。これでは“夢のマイホーム”が“悪夢のマイホーム”というお荷物でしかなくなります。

 また、土地を買ってはみたものの先の見通しがたたなくなって更地のまま放置しておくと、課税評価額が高くなり、固定資産税、都市計画税といった税金の負担も無視できません。
 前述の教育費についてですが、近年の統計によりますと、子供一人当たり平均で、幼稚園から大学までずっと国公立の場合で746万円、ずっと私立の場合は大学が文系の場合で2090万円かかるという統計結果が出ています。別途塾代等も考えると家づくりと共にしっかり考えておく必要がある事が判ります。
 ここまで考えると「うーん、マイホームが遠のいたか?」と思った方もいらっしゃるかも知れませんが、諦める必要はありません。前もって戦略を練る事が大切なのです。

1.土地購入と住宅ローン

 土地を選ぶ段階から建物計画も併せて進める事で、土地の購入資金も併せてローン計画を組む事が可能となります。
 そもそも家を建てる為の土地ですから、希望する住宅がきちんと建てられる事を確認し、建築計画を具体的にした上で土地を購入するのが安心です。土地購入費もローンにする事で、将来に備えた貯蓄を不必要に崩さずに済む計画です。
 気になる土地がみつかったら、遠慮しないで住宅メーカーに建物プランを相談してみましょう。資金計画の面でもアドバイスを受ける事ができ、現実的な見通しがたてやすくなると思います。

2.優遇策の活用

 資金調達の方法は、貯蓄やローンの借入れだけではありません。ご存知の通り今年は、マイホーム取得の為の優遇策がいろいろあります。家計の負担を軽くする為に、今回は親御さん達に協力して頂く方法をピックアップしてみました。

(a)住宅取得資金の贈与税非課税枠

 昨今、頭金を親御さんが出してくださるという話をよく聞きます。2014年中の住宅取得資金の為の贈与(2015年3月迄に入居)であれば下記の通りの非課税枠となります。
 親だけではなく、祖父母からの資金提供も対象です。2000年から条件は変われど続いてきた住宅取得資金の為の贈与税非課税措置ですが、今年が最後で延長されない可能性がありますので、チャンスを逃さないで活用したいですね。

贈与年 省エネ性又は耐震性を満たす住宅 左記以外の住宅
2014年 1,000万円 500万円

※具体的には住宅面積等諸条件があります。土地建物計画の段階で専門家にご相談下さい。

(b)教育資金一括贈与の非課税枠

 住宅資金ではありませんが、教育費も、祖父母から孫へ1500万円までが非課税となります。祖父母が孫の教育費を援助する事で結果的に家を建てる世代の家計負担を軽減するという効果が。2015年12月31日までの所定の手続きが期限ですので、こちらも今ならではの活用ポイントです。

POINT 2 建物から考える土地の探し方

『土地を探す際、まず何を条件にしますか?』

 土地を探されている方のお話をお聞きしていると、まずはエリア、そして広さ(面積)と価格という方がほとんどです。土地の面積を算出された根拠をお尋ねすると、予算と相場から割り出される方がいらっしゃいます。

『3000万円の予算で、この辺の土地代の相場が坪100万円だから30坪の土地が買える。30坪の敷地があればガレージのスペースと2階建てで40坪の家が建てられるだろう。』

  ざっくりの方向性としてはこれでOKです。ですが、この事だけにこだわって土地を選別してしまうと、実際には希望する建物が建てられない場合があります。
 建築に際しては、建蔽率と容積率、或いは道路斜線や北側斜線といった、建物の規模や高さに関係する制限があります。敷地の形状によってこうした規制の影響の仕方が変わってきます。
 反対に土地の単価が高くて30坪より狭くても、希望する建物条件次第ではぴったりという場合もあるのです。気になる土地がみつかったら専門家の眼でチェックしてもらう事が理想です。

 宅地を販売している業者さんによっては、参考プランというのを作成してくれている場合があります。たまたま、建てたい家の内容と一致していればラッキーですが、そうでなかった場合、まだその土地を買うかどうかわからない段階で不動産業者にプランの作成は依頼しにくいですし、貴方が相当の見込み客だと判断されない限りそこまで対応してくれる業者も多くはありません。
 その点、住宅展示場は、各社いろんな経験、事例を有しているので、まずはお望みのプランが入りそうな敷地かどうか、プランの相談をされるのも安心な策だと考えます。
 具体的なプランまで依頼するかどうかは別として、ご希望の建物が建てられそうかの見解が聞け、土地探しの参考にもなる場合がありますので一石二鳥です。希望の条件を伝えておく事で、住宅会社によっては、土地情報を紹介してくれる場合もあります。

 そうは言っても何でもかんでも相談するのは気がひけるという方、少し知識を身に付けておく事で、最初の基本的なチェック事項ならご自身である程度できるようになります。
 スペースの都合で一部だけになりますが以下にご紹介します。何も知らないし判らないという不安が少しでも和らげば、気持ちに自信とゆとりが生まれ、落ち着いた目で土地探しができると思いますよ。

建物計画に絶対必要条件 → 敷地が道路に2m以上接している事。鉄則です!

1.法規制にはこんな項目と注意点があります

用途地域
都市計画区域内で、建築可能な建物用途を区域で指定。専用住宅であれば工業専用地域以外は建築可能。
建蔽率
角地や防火地域の耐火建築物の場合、緩和があります。 
容積率
前面道路の幅員に注意。
指定容積率が200%でも実際にはそれより低くなる場合があります。
高さに係る制限
日影規制・北側斜線・高度地区
行政によって各用途地域ごとに規制の有無、内容が異なります。
壁面後退
風致地区、地区計画区域に多い規制です。
建築関係法令とは別に、民法では住居系地域では隣地境界から50㎝以上空けるよう定められています。例え建築上の規制がなくても、お隣との良好な関係を築く為に留意したいものです。
道路斜線
1.25A 1.5A (Aは道路幅員)
道路の反対側の境界線から当該敷地の道路境界線を上記の勾配で結んだ斜線を超えてはいけないという、建物の高さ制限です。道路境界線から建物を後退させて建てることができれば、後退した距離だけ道路幅員が大きいものとみなされて斜線にかからない、という緩和措置があります。

2.道路の種類

 一般の方にはあまり知られていない事ですが、前面道路の性質や状況で、建物計画が制限される事があり、資産価値に影響する要素は無視できません。
 敷地に接している道路が公道か、それとも私道か?私道の場合は誰の所有かも確認しましょう。
 42条2項道路なら、道路中心から2mまでを道路とみなす為、建築対象の敷地面積が減少する事も。等々、道路に関する建物との関係については多くのチェックポイントがありますので、専門家にご相談することが早道です。

3.地盤(地耐力)

 地震対策を考えると、土地の地盤の強さは無視できない事項です。周辺の地質調査データを、インターネットのサイト上で調べる事ができるエリアもあります。
 各行政庁のハザードマップは、地震時の揺れの予測の他、浸水履歴情報等も公開しています。参考にしましょう。
 昨今は免震住宅を希望される方も増えてきました。免震住宅は地盤そのものが弱い敷地には建てられないと考えた方がよいので、免震住宅建築を前提に土地を探される方は特に、早い段階から地盤について留意してください。

4.工事

 道路が私道の場合は、道路の所有者から、 上下水道、ガス管工事の為の掘削同意を取れるのかを確認しましょう。  また、工事車両が出入りしにくい道路(くねくね、狭い等)だと、建築資材の搬入が小運搬になり、建築費が割高になる可能性が高くなります。

 さて、ご存知の通り、きれいな土地、例えば正方形、長方形といったバランスの取れた矩形の敷地や角地は、当然土地代も比較的高くなります。反対に、路地状敷地や変形敷地、敷地内に高低差がある土地は割安になります。最近は住宅メーカーの設計技術もどんどん進化し自由度が高まっていますので、在来工法のメーカーでなくても敷地の特徴を活かしたプランが随分可能になってきました。
 矩形の土地だと、プランも建物の形状もある程度一定のものになってしまいがちですが、敷地に特徴がある事で、それを活かした特徴ある家づくりが可能になります。

 「袋路状土地」と言い、道路に面している長さが短く、奥で膨らんだ形状の土地です。
 道路から家の中が直接のぞかれない、道路を通る車の騒音の影響を受けず静か、といったメリットもあります。大きな窓で開放的な家づくりを考える方にとっては選択肢のひとつではないでしょうか。土地の価格は道路への面し方で影響しますので、袋路状土地はそうでない同じ条件の土地よりも価格がぐんと割安になります。
 変形した土地も矩形の土地に比べて、金額的には割安になります。
 その理由は、単純な長方形や正方形の建物の配置が難しいからなのですが、建物は単純な形だけがすべてではありません。中庭(パティオ)を中心に家族のコミュニティが自然発生するプランや変化に富んだ空間づくりは、変形敷地こそ、その可能性を秘めています。
 敷地内に高低差があると、整地にお金がかかるだけ、と思っていませんか。高低差をそのまま活かして、地下住戸を設けては如何でしょう。地下は条件をクリアすれば床面積を容積率の対象から除外できますので、実際の指定容積率よりも広い建物が可能になります。土地の利用効率が高まりますので、かえって割安な土地という事になるかも知れません。

POINT 3 土地建物にかかる経費

 建物の竣工間近のお施主様に出会った際、時々お見受けするのが、「次から次へ予定していなかった費用がかかって、もうクタクタですよぉ。いつまでこんな感じが続くんでしょうか?」と疲れ切ったご主人の姿です。土地代と建物代は勿論覚悟の上で家づくりを始めたものの、細かい処での費用を深く考えておられなかったとの事。お金に困るという事では無く、予定していなかった出費が次から次へ生じる事が精神的な不安と負担になるとの事でした。人生は先が見通せて予測がたてば、準備や方策をたてる事で、クリアできる事も多いのに、本当は大した事でなくても、不測の事態が次から次に起きると、それだけ精神的負荷が高くなります。
 家づくりは大きなイベントですので、予測できる事はしっかり予測して、無理無駄の無い計画を進めて頂きたいと思います。

 下図は、一般的な家づくりの過程で生じる費用を列挙したものです。土地代と税金、保険料以外の料金には消費税もかかりますので注意しましょう。
 土地を購入する段階から、建物その他の費用を概算でよいので試算しておきましょう。時々見直して、随時明確になった金額に差し替えながら、予算配分を調整して堅実な住まいづくりを進めましょう。

 以上、土地購入の段階からの資金計画の大切さ、建物入居に至るまでの経費の内訳をご案内するとともに、知っておくと安心な建物と土地との関係についてご説明しました。

 最後にもう一つ、土地探しのポイントを。
 土地を選定する際には、是非、朝、昼、夜と時間帯を変えて、そして休日だけでなく平日も見に行かれる事をお薦めします。休日のお昼には判らなかった環境が平日に発見できたり、その逆も然りです。例えば道路の交通量は、平日と休日でその様子ががらりと変わる地域もあります。休日は静かでも平日は賑やかな環境だったという事もありえます。望む環境は、条件が異なる状況で確認しましょう。

 土地は、物件毎に異なる性質を有しています。機械で規格品として大量生産できるものではありませんので、予算をはじめ諸条件を鑑みると、これぞと思える土地を探し出すのも一苦労のように思えるかも知れません。しかし一度頑張って手に入れれば一生ものどころか、子や孫にまで残せる財産です。その為にも、遠回りや失敗をしないよう、必要な知識や情報を得る手段として、住宅展示場でのセミナー等で専門家の話を聴いたり、出展住宅メーカー等に積極的に相談する事はたいへん有効だと考えます。
 是非、納得のいく土地を取得して満足のマイホームを実現してください。

監修・情報提供:川道恵子(一級建築士)
© 2014 Next Eyes.co.Ltd
本記事はネクスト・アイズ(株)が記事提供しています。
本記事に掲載しているテキスト及び画像の無断転載を禁じます。

ページの先頭へ

住まいの知識TOPへ